研究分担者 |
原 武史 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10283285)
後藤 裕夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (80144012)
星 博昭 岐阜大学, 医学部, 教授 (60128395)
片田 和廣 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00101684)
石垣 武男 名古屋大学, 大学院医学研究科, 教授 (60094356)
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研究概要 |
本年度は,以下に示すような人体の診断領域および撮像モダリティに対し,それぞれにおけるコンピュータ支援診断(computer-aided diagnosis, CAD)システム(マルチCAD)の構築に関する基礎的な研究を,前年度に引き続き行った. 1)胸部X線CT画像:マルチスライスX線CTによって撮像した胸部領域の3次元画像のデータベースを充実させた.今年度に収集した画像症例数は,正常例20例,異常例25例,肺気腫20例の規模であり,基礎研究としてこれらを利用した.まず,体幹部領域内の正常構造を抽出・識別する新しい技術を開発した.具体的には,肺領域における骨陰影,胸郭,肺門部,気管支の自動抽出であり,また,肺野区間の自動分類法の開発を行った.肺気腫病変の定量解析については,閾値法と領域拡張法に基づいた手法を開発し,肺気腫の病勢の定量化に有効であることが分かった.さらに,椎体部の定量解析手法の検討を行い,有用な結果を得ている. 2)腹部X線CT画像:マルチスライスX線CTによって撮像した腹部領域の3次元画像のデータベースを充実させた.複素自己回帰モデルを用いた大腸ポリープの自動検出のアルゴリズムを開発し,有効な手法であることを明らかにした.また,肝臓領域のCAD,システムについても検討を行い,MR画像とCT画像を対象に,肝臓自動抽出法の開発,病変部の自動解析法の開発などを行った. 3)頭部MR画像:MR装置によって撮像したラクナ梗塞病変がある約30症例の頭部領域の3次元画像のデータベースを用いて,梗塞領域の自動検出法を開発し,有用な結果を得た. 4)乳腺超音波画像:前年度に収集した3次元乳腺超音波画像のデータベース(乳がん腫瘤陰影)を用いて,腫瘤陰影の境界抽出法の新たな検討を行うことによって,良悪性の自動鑑別法の改善を行い,乳腺超音波領域のCADシステムとして良好な結果を得た.
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