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2002 年度 実績報告書

骨転移腫瘍及びその疼痛の特異的治療の為の破骨細胞親和性Re-186放射性治療薬

研究課題

研究課題/領域番号 13670932
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

福田 俊  放射線医学総合研究所, 宇宙放射線防護プロジェクト, 研究員 (30165287)

研究分担者 佐治 英郎  京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
キーワード腫瘍の骨転移 / 家兎骨転移モデル / 溶骨性骨腫瘍診断薬剤 / 99mTc(V)-DMS / 99mTc-HMDP / 骨疼痛緩和
研究概要

原発性悪性骨腫瘍や悪性腫瘍骨転移では骨破壊が起こり、重篤な骨の痛みが生じるため、骨疼痛緩和の治療は重要である。申請者は、この骨破壊型の癌骨転移の骨疼痛緩和治療薬剤の開発を目的として、基礎的な検討を行うことを計画した。そこで、溶骨型転移性骨腫瘍動物モデルを、扁平上皮癌であるVX2腫瘍の細胞を家兎の大腿骨の骨髄腔中に注入することにより作成し、我々が以前の研究で開発したジメルカプトコハク酸99mテクネチウム多(V)核錯体(Tc(V)-DMS)について、この家兎モデルの骨腫瘍部位への放射能集積性をSPECT装置を用いて画像解析し、現在核医学診断において骨イメージングに汎用されるリン酸化合物、Tc-HMDP錯体との集積性と比較検討した。その結果、X線撮影では、この溶骨型骨腫瘍モデル動物で移植14日目に初めて骨部位の検出が可能となったが、Tc(V)-DMSによるSPECTでは、それより以前10日目に、骨腫瘍部位に顕著な放射能の集積が観察された。さらに、Tc(V)-DMSは骨腫瘍モデルにおいてコントロール群と比較して骨格全体に高く集積するとともに、骨腫瘍部位においてはより高い集積率を示した。また、放射能集積を画像として得られるオートラジオグラフィーの結果と組織化学的染色の結果とを合わせて検討したところ、Tc(V)-DMSは溶骨性骨腫瘍病変部位に高く集積することを認めた。これに比べ、Tc-HMDPはコントロール群の方が高く骨に集積し、また骨腫瘍モデルにおいても骨腫瘍部位と反対側の正常骨部位との間に放射能の集積率に有意な差は認められなかった。また、造骨性骨疾患動物モデルとして、ドリル(φ1.2mm)により左脛骨を骨髄腔まで貫通させたラットを作成し、同様に両化合物の放射能集積分布を調べた結果、Tc-HMDPは損傷の7日後から骨損傷部位への放射能の集積増加が認められたが、Tc(V)-DMSには放射能集積の変化は認められなかった。さらに、Tcと同族元素であるReのβ線放出放射性核種、186Reを用いて、186Re(V)-DMS錯体を合成し、この化合物がTc(V)-DMSと同様な分布を示すことを認め、本化合物が溶骨性癌骨転移部位での疼痛緩和に対する特異的治療薬剤として有効性である可能性を明らかとした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Fukuda, S., Iida, H.: "Life span and spontaneous tumors incidence of the Wistar Mishima (WM/MsNrs) rats"Exp.Anim.. 52. 173-178 (2003)

  • [文献書誌] Fukuda, S., Iida.H., Yan, X., Xie, Y, Burgada, R., Bailly, T.: "Efficacies of three chelating agents on removal of plutonium in rats: comparison of CBMIDA, 3,4,3-LIHOPO and Ca-DTPA"Jpn. J. Health Phys.. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 西尾早織, ホリウチ・カズコ, 佐治英郎: "造骨性骨腫瘍診断薬剤として99mTc Bisphosphonate(BPの有用性に関する基礎的検討"核医学. 39. 402-402 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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