研究課題/領域番号 |
13670934
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋川 一雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70281128)
|
研究分担者 |
村瀬 研也 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50157773)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
|
キーワード | 脳血管性痴呆 / 脳血流SPECT / フラクタル次元 |
研究概要 |
今年度はSPECT画像の不均一性の定量化法としてフラクタル解析を用いた(機能的三次元フラクタル解析法)を開発し、脳血管性痴呆の脳血流SPECT画像に応用し脳血管性痴呆の画像診断における有用性について検討した。 NINDS-AIREN、DSM-IVおよびHachinskiの虚血スコアを用いて細動脈硬化による脳血管性痴呆と診断された18人の脳血管性痴呆患者(MID群:平均年齢69.7±8.3才(mean±SD))を対象とした。めまいや頭痛などを主訴としSPECT、MRI、超音波検査および臨床経過により脳器質的病変を否定された18例(C群:平均年齢66.9±10.3才)をコントロールとした。各群のMMSEは18.8±4.4および26.5±2.6であった。Tc-99m hexamethylpropyleneamine oxime 720 MBqを静注後5分後より約30分のSPECT収集を施行した。用いたSPECT装置は日立SPECT2000Hで当院で臨床に用いている標準的方法によって4mm厚の再構成横断像を得た。各個人の再構成画像全voxelの最大値を求め、この最大値の35%から50%の複数の閾値を設定し、それぞれ閾値を超える脳組織voxel数を求めた。次ぎに閾値とvoxel数の回帰直線を求め、その傾きを機能的フラクタル次元とした。MID群お主びC群のフラクタル次元はそれぞれ1.084±0.153および0.853±0.062で、MID群で有意に低値であった(p<0.O01)。また、脳血管性痴呆群においてMMSEのスコアとフラクタル次元の間に有意な負の相関(r=O.871,p<O.001)を認めた。 以上の結果は、SPECT画像のフラクタル次元解析が脳血管性痴呆の補助診断として有用であることを示した。
|