研究課題/領域番号 |
13670934
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋川 一雄 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70281128)
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研究分担者 |
村瀬 研也 京都大学, 医学研究科, 教授 (50157773)
福山 秀直 京都大学, 医学研究科, 教授 (90181297)
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キーワード | 脳血栓性痴呆 / 能血流SPECT / フラクタル次元 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
平成13年度に脳血流SPECT画像の不均一性の定量化法としてThree-dimensional fractal analysis(3D-FA)による脳血管性痴呆の定量的評価法の有用性を示した。平成14年度は痴呆を来すもう一つの代表的疾患であるアルツハイマー病と脳血管性痴呆の鑑別に対する本法の有用性を検討した。 対象は、脳血管障害群(VD群:n=22:年齢71.2±8.2才(mean±SD):MMSE23.6±3.4)、アルツハイマー群(AD群:n=32:年齢67.0±10.3才:MMSE19.1±5.8)、コントロール群(C群:n=20:67.6±11.3才:MMSE28.5±1.2)である。99mTc-HMPAOを用いて脳血流SPECTを施行し、得られた再構成画像を解剖学的標準化した後に、3D-FAによる統計的画像処理を行い、3群におけるfractal dimension(FD)を算出した。また、FDの前後比としてA/P比(=前方領域のFD/後方領域のFD)を算出した。 各群のFDは、それぞれC群0.806、AD群1.072、VD群1.005であった。C群とAD群間、C群とVD群間にはそれぞれ有意差を認めたが(p<0.01)、AD群とVD群間には有意差を認めなかった。AD群の平均A/P比は0.952でFDは後方領域で高く、一方VD群の平均A/P比は1.163でFDは前方領域で高かった。 3D-FAによって算出されたFDは、VD群とAD群の脳血流分布の不均一性を単一の数値で定量化することができ痴呆の程度を評価する客観的指標となり得ると考えられた。また、A/P比を用いることによるVD群とAD群の鑑別診断の可能性が示された。
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