研究概要 |
1 磁気共鳴影像法(MRI)の安静時信号変化の検討 脳循環のゆらぎによるMRI信号変化を実験用動物(ラット)で検討した結果、MRI信号強度の低周波数ゆらぎの同期化と交感神経活動指標との間に有意な相関を認めた。健常ボランティアでMRI信号強度変化と同時計測した生理学的データとの関連を多変量自己回帰モデルに基づき検討した結果、心拍(1Hz前後)、呼吸(0.3Hz前後)に加え、低周波数領域(概ね0.1Hz以下)では呼気終末二酸化炭素濃度の影響が認められた。 2 パラメトリックモデルによる局所神経活動と全身生理機能に基づく信号変化の分別抽出 上記研究成果1の結果を踏まえ、パラメトリックモデルに基づくデータ解析法を資格刺激の機能的磁気共鳴影像法実験データに適用し、局所神経活動と全身整理機能に基づく信号変化成分の分別抽出に成功した。本解析法は生理学的変動が混在する生体機能計測データからの脳機能賦活に関連する信号変化の抽出および局所循環調節機能の評価に有効と考えられた。 これらの研究成果はThe Tenth Scientific Meeting of the Intenational Society for Magnetic Resonance in Medicine. Honolulu, Hawaii, USA, 2002.5.18-24,第30回日本磁気共鳴医学会大会、東京都、2002.9.12-14、第5回ヒト脳機能マッピング学会大会、つくば市、2003.3.16-18において発表した。これらの研究成果に基づき「生体機能情報の分別抽出方法およびその装置」の特許出願をおこなった。
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