研究概要 |
平成14年度までの研究成果に基づき開発したダイナミックシステム(パラメトリック)モデルによる生体機能情報の分別抽出方法を視覚刺激時の機能的磁気共鳴画像データに適用し、その解析結果の妥当性を検証するとともに従来の一般線形モデル(general linear model ; GLM)に基づく解析結果との比較検討を行った。ダイナミックシステムモデルに基づく本解析法により視覚刺激入力に関連する磁気共鳴信号変化と生理機能変化に関連する磁気共鳴信号変化の分離抽出、脳機能賦活時のみならず安静時も含めた磁気共鳴信号変化の予測に成功した。本解析法によりGLMによるものと同様の脳機能賦活部位の同定が可能であった。本解析法により求められた視覚刺激入力に対する脳機能賦活部位における信号応答とGLMに基づき推定された信号応答との間には良好な線形関係が認められた。またGLMで仮定したモデルタイムコースと実測データが大きく乖離した場合でも本解析法では良好な信号変化の予測が可能であった。さらに本解析法では生理機能変化に対する信号応各に基づき脳局所循環機能についての情報抽出が可能であった。これらの結果により本解析法の妥当性、有効性を確認した。 本研究の成果は第42回日本エム・イー学会大会、札幌市、2003.6.5、The Eleventh Scientific Meeting of the International Society for Magnetic Resonance in Medicine, Toronto, Canada,2003.7.10-16において発表した。また原著論文として欧文誌上に発表した。
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