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2002 年度 実績報告書

緩和時間と電気的特性を生体等価にしたMRI及び癌の温熱療法用ファントムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 13670942
研究機関岡山大学

研究代表者

加藤 博和  岡山大学, 医学部, 教授 (60127511)

研究分担者 山本 尚武  岡山大学, 医学部, 教授 (50032941)
内田 伸恵  島根医科大学, 医学部, 助教授 (80304260)
黒田 昌宏  岡山大学, 医学部附属病院, 助教授 (50225306)
花元 克巳  岡山大学, 医学部, 助手 (20335590)
キーワードMRI / Hyperthermia / Phantom
研究概要

緩和時間と電気的特性を生体等価にしたMRI及び癌の温熱療法に使用できるゲル化ファントムを開発した。このファントムの組成は,塩化ガドリニウムGdCl_3(0-140μmol/kg),アガロース(0-1.6wt%),NaCl(0-0.7wt%),カラギ-ナン(3wt%),そしてNaN_3(0.03wt%)である。このファントムの1.5Tにおける緩和時間は,T1=202-1904ms, T2=38-423msである。電気的特性は5-130MHzにおいて,導電率はσ=0.27-1.26S/m,比誘電率はεr=78.1-98.9である。
このファントムの大きな特徴は,1)カラギーナンを形状保持剤として添加していることから自立性のある固形ファントムであり,支持剤を用いずにトルソーの形状を保つことができる。
2)T1緩和剤としてGdCl_3をT2緩和剤としてアガロースを用いていることからT1とT2を独立して変化させることができ,このことからすべての生体組織の緩和時間をファントムにおいて再現することができる。
3)食塩を添加したことから,任意の導電率(但し0.27S/m以上)をもつファントムを作製することができる。
4)品質安定剤,NaN_3を添加したことにより長期間変質することなく使用することができる。
5)T1,T2,導電率を塩化ガドリニウム,アガロース,そして食塩の濃度の関数として数式的に表現したことから,任意のT1,T2,そして導電率をもつファントムの塩化ガドリニウム濃度,アガロース濃度,そして食塩濃度を容易に決めることができる。
このように開発したファントムは,MRIおよびハイパーサーミアの基礎研究,装置の品質管理,さらにMRIとハイパーサーミアを併用した研究において有用である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 加藤博和: "医学分野における電磁波用ファントム"電子情報通信学会B論文誌. J85-B(5). 597-608 (2002)

  • [文献書誌] N.Uchida, H.Kato, et al.: "The development and application of a radiofrequency (RF) interstitial hyperthermia system to prostate cancer"Jan.J.Hyperthermic Oncol.. 18(3). 143-150 (2002)

  • [文献書誌] 加藤博和, 花元克巳, 川崎祥二, 澁谷光一, 黒田昌宏: "MRIにおける画像の再構成"岡山大学医学部保健学科紀要. 13(2)(in press). (2003)

  • [文献書誌] 加藤博和, 吉村孝一, 吉田敦史: "MRIとハイパーサーミアで使用できるファントムの電気的特性"日本ハイパーサーミア学会誌. 18S. 174 (2002)

  • [文献書誌] M.Kuroda, H.Kato, K.Hanamoto, et al.: "Development of a Hybrid Gel Phantom Using Carrageenan and Gellan Gum Visualizing the 3-D Temperature Distribution"International Symposium on Microwave Science and Its Application to Related Fields. 66-67 (2002)

  • [文献書誌] H.Kato, K.Yoshimura, M.Kudoda, et al.: "Dielectric Properties of the phantom used for MRI and Hyperthermia"International Symposium on Microwave Science and Its Application to Related Fields. 68-69 (2002)

  • [文献書誌] 加藤博和: "放射線技術学シリーズ 放射線物理学(編:遠藤 真広)"オーム社(in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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