外部線源を用いたtransmission scan (TCT)法が、SPECTの吸収補正に用いられている。今回、TCTに代わりCTを吸収補正に利用できるCT/SPECT combined systemを導入にその有用性を検討した。導入したシステムの構成は、2検出器型ガンマカメラSkyLight(ADAC)と8列のMDCT(Lightspeed Ultra ; GE)で、CTベッドにてCT撮像およびSPECT撮像を可能とした。CTの画質は高画質なので、吸収補正の有効性と共に、融合画像の有効性も検討した。 吸収補正の有効性については、ファントム実験では、頭部ファントムおよび心筋ファントム共に、RI分布の均一性が向上した。臨床例においても、脳血流シンチおよび心筋シンチで、カウントの均一性が向上し、診断能においては、特異度の向上が期待された。融合画像は、SPECT吸収補正像とCT像で作成し、Tl-201腫瘍シンチ28例、骨シンチ14例、Ga-67シンチ5例、リザーバ血流シンチ3例、肺血流シンチ2例、センチネルリンパ節シンチ2例、消化管出血シンチ1例、アシアロシンチ1例、I-123MIBGシンチ1例の57例でその有用性を検討した。57例中48例(84%)で、SPECTの集積部位の同定に加え、臨床的に有用な情報が得られた。具体的には、生理的集積と病的集積の鑑別、良性および悪性の鑑別、腫瘍の病期診断、腫瘍再発の診断等に有効な情報が得られた。 CT/SPECT combined systemは、吸収補正に加え、融合画像による腫瘍シンチの診断にも有効なシステムと思われた。
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