研究課題/領域番号 |
13670953
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
陣之内 正史 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (60154423)
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研究分担者 |
宇野 武司 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (70038842)
小玉 隆男 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (40153564)
長町 茂樹 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (40180517)
矢野 貴徳 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20315378)
菅 涼子 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60325751)
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キーワード | 慢性疼痛 / 硬膜外脊髄通電治療 / 局所脳血流 / SPM / リドカイン |
研究概要 |
(目的)本研究では慢性疼痛状態患者に硬膜外脊髄通電治療前後に脳血流SPECT検査を施行し、SPMによる統計学的画像解析を加える事で疼痛と関連した領域の脳血流変化を客観的に評価する。これにより硬膜外脊髄通電治療の除痛機序いわゆる脊髄鎮痛機構の一端を解明するとともに、治療の適応決定、予後予測にも還元させることが目的である。 (方法)慢性疼痛で硬膜外脊髄通電治療目的患者5例を対象とした。治療前(base-line)とリドカイン静注による一過性除痛時、硬膜外脊髄電極5日後の通電状態の計3回、Tc-99m-HMPAO脳血流SPECTを施行した。除痛時における脳血流変化をSPM96を用いて解析した。正常例11例による正常群とし正常群との比較を行った。検定にはJackknife検定を用いた。各個人の全脳平均を50ml/100g/minとして局所脳血流を補正後比較し、Height thresholdが0.01未満、Extent thresholdが0.01未満を統計上有意として表示させた。 (結果)治療前の状態では疼痛の程度に関係無く全例に、痛覚側の視床、両側帯状回前部、痛覚側の側頭葉、前頭前野に血流低下を認めた。リドカイン投与及び硬膜外脊髄通電により自発痛は緩解し、同時に施行された脳血流SPECTではこれらの領域の血流異常は改善した。改善の程度は硬膜外脊髄通電治療後により著明であった。 (考察)慢性疼痛状態では、視床、帯状回前部、側頭葉、前頭前野に血流低下が認められた。疼痛の緩解により脳血流の改善が認められた事から疼痛機序として視床-皮質間反響回路の異常が示唆された。今後は多症例で発病期間、疼痛原因疾患等の因子を含めてさらなる検討予定である。
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