本研究では、レジデントの教育効果を加味した読影所見作成システム(レポーティングシステム)を構築し、その有用性を検証した。本システムのもっとも大きな特徴は、レジデントが書いた読影所見をオンライン上で指導医がチェックすることが可能なシステムである。まず、レジデントがCTやMRIなどから発生した読影対象検査画像に対して読影所見を作成する。このとき、読影する対象画像に対して、注目点をマーキングすることが可能である。さらに、レジデントが作成した読影所見に対して、オンラインで放射線科指導医がチェック作業を行い、最終レポートを作成する。最終レポートには、キー画像を選択し、読影所見レポートに添付することが可能であり、読影レポートを印刷することにより院内に配布する。そして、作成したレポートは、レポーテイングサーバー内においてデータベース化されて蓄積し、容易に参照することが可能である。本システムにより、レジデントと指導医の連携が極めて効率よく行えることを実証した。このことから、本システムにより大学病院における放射線科医の高度な教育と診療を、極めて能率よく両立させることが可能となるシステムの概念を実証した。
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