研究概要 |
昨年度のコントロール(C)群,放射線コントロール(RC)群,放射線+治療(RT)群のラット3群のうち、RC群とRT群に対して左肺片側放射線10Gy1回照射と照射量を減らした。また昨年度に肺臓炎抑制目的で4週目まで投与した比較的酢酸メチルプレドニゾロン(週1回2mg/kg)がインターフェロン(IFN)-γの効果を抑制している可能性も考えられたため、RT群にはステロイド剤を投与せず、IFN-γ単剤(昨年度と同量;4μg/kg週3回皮下注)とし、同群をさらに照射前日(PreRT)、照射後1週目(1wRT)と2週目(2wRT)とIFN-γ投与開始時期を変えた3群に分けた。照射後16週目にRC群のT1は有意に短縮していることから肺は線維化はしていることが確認され、IFN-γ投与によって線維化はPreRTと1wRTの両群でのみ有意に抑制された。照射後1週目,2週目の肺組織中TGF-β1,CTGF, procollagen-α1(I)のmRNA発現レベルを測定したところ、IFN-γは照射後2週目のTGF-β1とprocollagen-α1(I)をPreRTと1wRTの両群で抑制していた。以上より、IFN-γによる放射線照射後16週目の抑制効果は、照射後1週目までに投与されたIFN-γによる照射後2週目のTGF-β1とprocollagen-α1(I)のmRNA発現レベル低下が関連している事が示唆された。
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