研究課題/領域番号 |
13670975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
兵藤 一行 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (60201729)
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研究分担者 |
大塚 定徳 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (40241814)
安藤 正海 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (30013501)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 放射光 / 放射光単色X線 / 分光結晶 / ステレオ撮影 / ラウエ結晶 / 血管造影検査 / 微小血管造影 |
研究概要 |
従来のX線撮影法に比較して、画像上での空間分解能、濃度分解能の大幅な向上が期待され、放射光単色X線を用いた心血管系・がん・脳内代謝、骨微細構造などの診断を目的とする撮影システムが、世界各国の放射光施設において開発されている。この場合、加速器から発生する放射光の特性により、多くの撮影システムで被写体への単色X線の照射方向が制限されることになる。そのため、たとえば血管造影検査については、1.静脈から造影剤を注入する冠動脈造影検査では動脈系と静脈系、血管系と心房・心室などの軟部組織、2.動脈から造影剤を注入する微小血管造影検査では血管系自身、のX線投影画像上での重なり合いが、画像診断上問題となる場合がある。画像上での血管系の重なり合いを少しでも軽減し、3次元的な血管系の情報を得ることは臨床診断上、大変有用であると考えられる。そこで、本研究では、血管系のX線投影像上での重なり合いの低減と血管系の3次元的情報を得る方法に関して基礎的検討を行うことを目的とした。そのために、単色X線の被写体への照射方向を変え被写体の3次元的な情報を得るためのラウエ結晶を用いるX線光学系および被写体を低速度で回転させながらX線撮影を行なう回転撮影方法の開発と評価を行ない、これらの方法が有用であることを確認できた。 今回の成果により、日本独自に行ってきた血管系の2次元動画像診断システムの開発に関して、より実用的なシステムの実現が可能になると期待される。また今回の成果は、2種類の単色X線で撮影した画像間の差分を行うエネルギー差分システムや、近年注目されているX線の屈折を利用した撮影法による肺がん、乳がんや骨などの診断システムにも応用できると期待される。
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