研究課題/領域番号 |
13670989
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00251504)
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研究分担者 |
柏 淳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10301227)
西川 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00198441)
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キーワード | 不安 / 不安惹起物質 / 最初期遺伝子 / 生後発達 / γ-アミノ酪酸 / RAP PCR / 大脳心皮質 / cDNAマイクロアレイ |
研究概要 |
ラットに不安惹起物質のひとつであるFG7142を投与し、c-Fos(最初期遺伝子)免疫活性の発現を調べたが、成熟期では大脳新皮質において著明に発現していたが、幼若期ではほとんど発現がられず、この大脳新皮質が不安の神経回路のなかで、その生後発達において最も大きな発達的変化をする脳部位であると考えられた。 FG7142を投与した雄性マウスの大脳皮質からtotal RNAを抽出し、cDNA microarray法を用いて、約8400のクローンについて、その遺伝子発現量の比較を行ったところ、c-fosを含めて9種類の遺伝子発現量が、成熟期では有意に増加していたが、幼若期では有意な変化を示した遺伝子は見られなかった。成熟期で増加していた遺伝子発現量を、RT-PCR法によって、各群8-10例ずつの検体を用いて調べたところ、全ての遺伝子発現量が有意に増加していた。また、2種類の遺伝子は、幼若期においても、変化の程度は小さいが、有意に増加していることを、RT-PCR法によって確認した。 FG7142を投与した雄性ラットの大脳皮質から得られた検体を用いて、約1000のクローンについて、cDNA microarray法で調べたところ、4種類の遺伝子発現量が、成熟期で有意に増加していたが、幼若期ではこういった変化はみられなかった。この4種類の遺伝子は、1種類は上述のマウスの実験と同一のものであったが、他の3種類は異なる遺伝子であった。 以上の結果から、FG7142により、年令依存性に変化する遺伝子が存在し、こいった遺伝子が、生後発達過程で形成される不安に神経回路に関与している可能性が考えられた。
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