研究課題/領域番号 |
13670989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00251504)
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研究分担者 |
柏 淳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10301227)
西川 徹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00198441)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 不安 / 不安惹起物質 / 最初期遺伝子 / 生後発達 / γ-アミノ酪酸 / RAP PCR / 大脳新皮質 / cDNAマイクロアレイ |
研究概要 |
ラットに不安惹起物質のひとつであるFG 7142を投与し、c-Fos(最初期遺伝子)免疫活性の発現について、生後発達の時期による違いを調べたところ、そのひとつが大脳皮質であることがわかり、この大脳皮質が不安やストレス応答の神経回路のなかで、生後発達において最も大きな機能的変化をする脳部位のひとつであると考えられた。 FG 7142を投与したげっ歯類の大脳皮質からtotal RNAを抽出し、DNA microarray法を用いて、転写レベルで有意な変化がみられる遺伝子を検索したところ、c-fosを含めて13種類の遺伝子発現量が、成熟期では有意に増加していたが、幼若期では変化していないことがわかった。これらの遺伝子について、RT-PCR法によって、その変化を確認したが、そのうち12種類の遺伝子の発現量が有意に増加していた。また、このうち2種類の遺伝子は、幼若期においても、変化の程度は小さいが、統計学的に有意に増加していた。これらの遺伝子は、転写調節、シグナル伝達、細胞周期、あるいは細胞外基質タンパクの融解に関与していることが知られており、ストレス応答や不安の神経回路において重要な機能をしている可能性ある遺伝子であると考えらる。 今後の研究では、その他の不安惹起物質やストレスによって、遺伝子発現量の変化がFG 7142と同様に生じる遺伝子を調べ、その機能や脳内分布、さらに生後発達変化を調べる必要がある。また、こういった遺伝子のヒト相同遺伝子の解析を進め、不安性障害などの精神疾患の遺伝的背景についても明らかにしてゆく予定である。
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