研究課題/領域番号 |
13670993
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
川崎 康弘 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80242519)
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研究分担者 |
角田 雅彦 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (30322762)
鈴木 道雄 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40236013)
倉知 正佳 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (80019603)
萩野 宏文 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (10272915)
田尻 浩嗣 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80345579)
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キーワード | 神経精神医学 / 精神分裂病(統合失調症) / 分裂病型障害(統合失調型障害) / 心理社会的治療 / 脳画像解析 / 磁気共鳴画像 / 神経心理検査 / 神経生理検査 |
研究概要 |
精神分裂病(統合失調症)で障害されている心理社会的機能の生物学的基盤をさぐるために、本年度は以下のような検討をおこなった。Magnetic Resonance Imaging(MRI)による脳形態画像の解析法として、昨年度にひきつづきStatistical Parametric Mapping (SPM) 99をもちい、脳の灰白質構造の形態的左右差を検出することを試みた。各対象の脳画像を左右対称性の標準脳画像に変換し脳の解剖学的部位にコードされた三次元座標に準拠して左右半球間で相同する脳座標部位において灰白質体積の比較をおこなった。対象は全て右利きの精神分裂病患者の男性25例と女性25例、健常者の男性25例と女性25例である。その結果、健常者に認められる典型的な左右非対称性が患者では減弱していることが明らかとなり、ことに言語機能の発達と機能分化に関連した脳部位での変化が特徴的であった。また、SPM99によるSingle Case Analysisを臨床応用する試みとして、主成分分析を3次元画像に拡張した多変量解析をもちいて分裂病圏障害患者と健常者を判別する解析プログラムを構築中である。精神分裂病患者および分裂病型障害患者それぞれ21例と健常対照者42例における判別では、各群ともに75%以上の正確さをもって評価可能であるという予備的結果を得ている。今後は別の対象群を用いて判別方法の妥当性を検討する予定である。神経生理検査としては事象関連電位の測定をおこなっており、Low Resolution Electromagnetic Tomography(LORETA)をもちいて脳内の情報処理に関連した電位変化を標準脳座標上で評価することを試みている。現在までの検討では聴覚性弁別課題による脳内電位の経時的変化の左右差が患者と健常者で異なる可能性がうかがわれた。
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