研究課題/領域番号 |
13671001
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鵜飼 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80324763)
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研究分担者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (10273632)
篠崎 和弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40215984)
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / 神経細胞新生 / うつ病 / 高周波振動 / 体性感覚誘発電位 |
研究概要 |
本研究ではうつ病の治療手段として応用されつつあるrTMS(反復的経頭蓋磁気刺激)の作用機作についてneurogenesisの促進効果の面から検討する。初年度は、neurogenesisの誘導の実証とその最適パラメータの決定のための基礎的データの取得を目指した。 ラットを用いて基礎的データの取得を目指した。健常ラットを2群に分け、一方の群には磁気刺激装置でラットの前頭部を局所刺激して運動誘発閾値を決定し、その120%強度で、頻度10Hz・刺激時間5秒、1日3回刺激した。他方の群には同様の条件でシャム刺激を与えた。両群のマウスにneurogenesisのマーカーとなるBromodeoxyuridine(BrdU)を12時間おきに腹腔内に注入した。本操作を14日間連続施行の後、灌流固定した。neurogenesisの指標となるanti-BrdU抗体、ニューロンの指標となるanti-NeuN polyclonal抗体で蛍光色素を変えた二重免疫染色をし、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、neurogenesis促進効果を、側脳室近傍、海馬、刺激直下の新皮質で定量した。 健常被験者での磁気刺激前後の誘発電位変化を体性感覚誘発電位高周波振動HFOs(high frequency oscillations)を用いて検討した。健常被験者7名に0.5Hz、50回の低頻度rTMSを実施し、刺激前後でのHFOsの変化を測定した。被験者全員にHFOsを認め、7名中6名にはHFOsのパワー値の増大を認めたが、シャム刺激によるコントロール実験では変化を認めなかった。rTMSが直接皮質内GABA系介在神経細胞の活動を増大させ、介在神経細胞を通して抑制性入力を増強し、皮質興奮性を抑制するメカニズムが推測された。
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