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2002 年度 実績報告書

神経性食欲不振症に対する新しい治療プログラムの開発とその有効性についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671020
研究機関鹿児島大学

研究代表者

野添 新一  鹿児島大学, 医学部附属病院, 教授 (10117533)

研究分担者 成尾 鉄朗  鹿児島大学, 医学部附属病院, 助教授 (70244233)
キーワード摂食障害 / 神経性食欲不振症 / 神経症過食症 / ghrelin / 遷延化
研究概要

1.摂食障害のサブタイプ別にみたghrelin分泌の違いが判明
本年度は遷延化の問題について新しく発見された消化器ホルモンであるghrelinの測定を行った。その結果、ghrelinはコントロールに比してAN-R(神経性拒食症)においてもっとも高値を呈し、またAN-BP(むちゃ喰い・嘔吐型)、BN-P(神経性過食症)についても有意な高値を示した。とくに過食、嘔吐する群が、やせのひどいAN-Rより高値を示し、嘔吐行動がその上昇になんらかの作用を及ぼしていることが示唆された。さらに体重がほぼ同じであるBN-PとBN-NPでは、前者が有意に高いことを明らかにした。Ghrelinは末梢に分泌された後、中枢とどうかかわっているかが今後の研究課題であり、遷延化要因の一つになりうる可能性が示唆された。
2.発症前直後の親子関係のあり方が遷延化に関与していることが示唆された。
現在過食・嘔吐する患者が年々増加し、遷延化症例もそれに伴って増えている。本年度の当科の調査では対象の18%が10年以上の疾病期間を有する遷延例であった。慢性例の治療は困難で、今後早期発見、早期治療を主眼とすべきである。今回疾病期間10年以上の25症例についてレトロスペクティブに症例検討したところ、発症前から直後の家族関係が発症ならびに持続化に関与していることが明らかになった。とくに親、なかでも母親との情緒面の形成に欠点があることが示唆された。また、10年経過した90%は現在も親と同居しており遷延化因子の一つとして注目された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Tanaka M, Nozoe S, et al.: "Increased fasting plasma ghrelin levels in patients with bulimia nervosa"Journal of clinical Endocrinology & Metabolism. 146. R1-R3 (2002)

  • [文献書誌] Yasuhara D, Nozoe S, et al.: "Insulinogenic index at 15 minutes as a marker of nutritional rehavilitation in anorexia nervosa"The American Journal of Clinical Nutrition. (In press). (2003)

  • [文献書誌] Tanaka M, Nozoe S: "Habitual binge/purge behavior influences circulating ghrelin levels in eating disorders"Journal of Psychiatric Research. 37. 17-22 (2003)

  • [文献書誌] Tanaka M, Nozoe S: "Fasting plasma levels ghrelin levels in subtypes of anorexia nervosa"Psychoneuroendocrinology. (In press). (2003)

  • [文献書誌] 建部佳記, 野添新一, ほか: "当科にて入院行動療法を行った摂食障害患者の予後に関する調査研究"心身医学. 42・10. 661-668 (2002)

  • [文献書誌] 安原大輔, 野添新一, ほか: "神経性食欲不振症患者における入院適応を規定するための重症度スコア作成の試み"心身医学. 42・10. 653-660 (2002)

  • [文献書誌] 野添新一: "今日の消化器疾患 治療指針 摂食障害"医学書院. 211-214 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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