試験管内γ-secretase Assay系の構築 γ-secretaseの直接の基質になると考えらるアミロイドβ-タンパク質前駆体のβ-secretase切断部位からC-末端までの領域(APPC100)やNOTCHの下流にHAやFRAGなどのタグ、あるいは大腸菌のリーダーペプチダーゼの一部を融合したタンパク質をコードする遺伝子を作製し、これらタンパク質を試験管内で翻訳または大腸菌で発現させた人工基質を用いて、一方γ-secretaseとしてはラット肝臓・脳またはHEK培養細胞よりプレセニリンが局在していることが明らかになっているミクロソーム画分または全膜画分を調製し、様々な条件下でγ-secretaseの活性検出を試みたが活性を検出することは出来なかった.私たちが用いたAssay系ではγ-secretaseにより産生される産物の検出感度は十分と考えられることより、γ-secretase活性を検出できるような更なる条件の検討が必要と判断される。 プレセニリン複合体の解析 プレセニリンは細胞内で巨大なタンパク質複合体を形成していることが報告されているが系統立てた解析がなされていないのが現状である。私たちは種々の界面活性剤でラット肝臓のミクロソーム画分を可溶化し、Blue Native Electrophoresis並びにグリセロール密度勾配遠心法によりプレセニリン複合体の大きさ、並びに複合体を形成している因子について解析出来る系を確立することが出来た。
|