高次脳機脳解明への分子生物学的アプローチ

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13671027
• 研究機関: 自治医科大学
• 研究代表者: 丹生谷 正史 自治医科大学, 医学部, 助手 (00228256)
• 研究分担者: 鈴木 映二 北里大学, 医学部, 講師 (60226496) ; 須田 治彦 都立保健科学大学, 保健学科, 教授 (40051784) ; 西嶋 康一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (30198460)
• キーワード: differential display / G protein coupled inwardly rectifying channel / adenylate uridylate rich element

研究概要

differential display施行の過程で、脳内にのみ発現の見られる16キロ塩基長の転写物を発見した。全長解析は、この長さ故、一筋縄ではなく2年を越える歳月を要したが、この結果、配列はヒト染色体ではダウン症原因部位である21q22.2上に存在し、G protein coupled inwardly rectifying channel(GIRK2)をコードし、各種Hu蛋白を含むRNA結合蛋白と親和性を有する多数のadenylate uridylate rich element(ARE)を有していることを発見した。イオンチャンネルにおけるAREの発見はこれが第一報であり、ストレスを含む細胞内外の環境変化によって転写物総量がダイナミックに変化している可能性に関し追求中である。

研究成果

• [文献書誌] Suda S, ^*Nibuya M, Suda H, Takamatsu K, Miyazaki T, Nomura S, Kawai N: "Potassium channel mRNA with AU-rich elements and brain specific expression"Biochem Biophys Res Commun.. 291. 1265-1271 (2002)
• [文献書誌] Nibuya M, Sugiyama H, Shioda K, Nakamura K, Nishijima K: "Psychiatric symptoms in Basedow's disease Successfully treated with electro convulsive therapy"J ECT. (in press).
• [文献書誌] Nishijima K, Nibuya M, Kato S: "Toxic setoronin syndrome successfully treated with electro convulsive therapy"J Clin Psychopharmacol. (in press).
• [文献書誌] 丹生谷正史, 川合述史: "精神医学(松下正明編、精神科専門医制度を想定した、精神科医用の全般的教科書)の中の1章神経科学・神経生理"中山書店、東京. (2002)