研究課題/領域番号 |
13671034
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
功刀 浩 国立精神・神経センター, 疾病研究第三部, 部長 (40234471)
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研究分担者 |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
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キーワード | 神経栄養因子 / VGF / p75 / ニューロトロフィン-3 / 統合失調症 / アルツハイマー病 / 遺伝子多型 / 関連研究 |
研究概要 |
われわれは統合失調症やアルツハイマー病の疾患感受性遺伝子について明らかにするために、各種の神経栄養因子やその受容体をコードする遺伝子に注目して変異の検索と疾患との関連研究を行ってきている。平成13〜14年度においては、主に、1)ニューロトロフィン3(NT-3)遺伝子の変異と統合失調症との関連、2)ニューロトロフィンによって誘導され、胎生期から軸索成長やシナプス形成の際に強く発現しているvgf遺伝子の変異検索、3)ニューロトロフィンの低親和性受容体p75遺伝子について変異検索と精神神経疾患との関連研究を行った。 1)NT-3遺伝子の2塩基(CA)繰り返し配列多型とプロモータ領域に存在する塩基置換(-3004G/A)に関してハプロタイプ解析を行ったところ、前者の23回繰返しをもつ対立遺伝子(A3)と-3004Gを持つハプロタイプは、健常対照群と比較して統合失調症患者群に有意に多く(p=0.005)、発病脆弱性と関連する可能性が示唆された。 2)vgf遺伝子については、統合失調症、双極性障害、アルツハイマー病各20例のゲノムDNAを用いてエクソンとプロモータ領域について11組のプライマーを設計して直接シーケンスによって変異を検索した。その結果、先行研究と異なる塩基配列を多数見出したが、われわれのサンプル間で多型性を示さなかった。 3)p75遺伝子のエクソン領域について、6組のプライマーを設計し、統合失調症、アルツハイマー病各20例のゲノムを用いて直接シーケンスによって変異を検索した。ミスセンス変異1つ、サイレント変異1つを見出した。前者について統合失調症とアルツハイマー病について関連研究を行ったが、有意な関連は見出されなかった。 現在、統合失調症との関連が示唆されたNT-3の変異に関して転写活性への影響について培養細胞を用いたルシフェラーゼ・アッセイによって検討を行っている。
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