研究課題/領域番号 |
13671039
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
中村 純 産業医科大学, 医学部, 教授 (40148804)
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研究分担者 |
吉村 玲児 産業医科大学, 医学部, 講師 (90248568)
寺尾 岳 産業医科大学, 医学部, 助教授 (80217413)
柳原 延章 産業医科大学, 医学部, 教授 (80140896)
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キーワード | 非定型抗精神病薬 / ノルアドレナリントランスポーター / クロザピン / リスペリドン / 副腎髄質細胞 / MHPG / HVA / カテコールアミン |
研究概要 |
clozapine長期投与のノルアドレナリントランスポーター(NAT)活性、合成、NAT mRNAに対する影響を検討した。(1)clozapineで長期処理を行うと^3H-NA取り込みは2相性の変化を示した。すなわち、clozapine処理2-48時間では^3H-NA取り込みは減少したが、続く72-168時間では^3H-ノルアドレナリン(NA)取り込みは増加した。(2)clozapineで6時間処理すると^3H-NA取り込みのV_<max>値が40%低下したがK_m値は変化しなかった。一方、clozapineで96時間処理すると^3H-NA取り込みのV_<max>値が56%増加したがK_m値は変化しなかった。(3)clozapineの副腎髄質細胞膜の^3H-desipramine結合に対する影響に関してScatchard分析を行ったところ、clozapine処理6時間でB_<max>が減少したがK_d値は変化しなかった。一方、clozapine処理96時間ではB_<max>が増加したがK_d値は変化しなかった。蛋白合成阻害剤のactinomycin Dとcycloheximideはclozapineの96時間処理による^3H-NA取り込みの増加を抑制した。clozapine処理12-96時間ではノルアドレナリントランスポーターmRNAを濃度依存的に増加させた。これらの結果よりclozapineの長期投与を行うと、まずノルアドレナリントランスポーターのdown-regulatiohが生じ、引き続いて新たな蛋白合成を伴ったup-regulationが生じることが示された。更に我々は、臨床研究としてrisperidoneのカテコールアミン神経系への影響を検討した。その結果、(1)臨床症状(特に陰性症状)とpMHPGの変化(増加)との間に相関が認められた。pMHPGの変化と血中9-hydroxyrisperidone濃度との間に相関が認められた。risperidoneへの反応良好群では非良好群に比べて投与前のpHVA濃度が高値であった。(4)risperidone投与によるpHVA濃度の変化(減小)と陽性症状(特に幻覚・妄想、興奮の項目)の改善には相関が認められた。以上の結果から、risperidoneの統合失調症の陽性症状に対する作用はドーパミン神経系を、陰性症状に対する作用はノルアドレナリン神経系も介している可能性が示唆された。
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