研究概要 |
本研究は、胎児から新生児にかけて、子と母の行動量のウルトラディアンリズム、サーカディアンリズムの相互関係を調べている。 昨年完成したオリジナルの胎動センサーを本格的に動かしはじめた。妊娠33週、36週の初産婦の終夜睡眠ポリグラフィを行うと共に胎動センサーを妊婦の腹部に装着し、妊婦の夜間睡眠中に胎児がどのように動いているか検討するために現在データを収集している。 誕生3,6,9,12週での乳児の概日リズムのでき方について、3週で概日睡眠覚醒リズムが存在すること、その規則性が12週にかけて確かなものになっていくことをヨーロッパ睡眠学会(レイキャビック、2002)で報告し、国際誌Physiology and Behavior(2002)に発表した。なお、この論文で開発した分析法で、さらに3ヶ月から27ヶ月までの幼児のリズムを追いかけた結果、3ヶ月では概日睡眠覚醒リズムが確立しているが、そのリズムの規則性は彼らの母親より低いことをヨーロッパ睡眠学会で発表(2002)した。 次に夜間のウルトラデイアンリズムについての乳児と母親の同期性であるが、夜間睡眠中の母子の行動量からまず相互相関関数を求め、その同期性を検討した結果、30秒サンプリングではほとんど同期しており、その結果を日本睡眠学会(仙台,2002)に報告した。 今後、産褥期うつ状態を示した母親の子供についてこれらの研究を発展させる予定である。
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