研究概要 |
我々は慢性骨髄性白血病の薬剤感受性、特にインターフェロン感受性を左右する遺伝子群のSNPs解析を行い、薬剤感受性を事前に察知できるかどうかを目的に研究をはじめた。具体的にはインターフェロン感受性に関連すると思われる約150遺伝子ほどを一次候補として選び,これのSNPsがJSNPに登録してあるかを調べ,更にそのSNPsがプロモーター部位にあるか、ミスセンス変異を伴っているかを検討した。こうやって現在までのところおよそ60個所のSNPsについて検出できるようになった。また特にインターフェロンレセプターSNPsについては新規のSNPsを2箇所発見したが、報告準備中に欧米のグループに先を越されてしまった。この新規SNPs2ヶ所を含む合計3箇所のインターフェロンレセプターのSNPsについて慢性骨髄性白血病患者から薬剤感受性研究として承諾をいただいているDNAの内20サンプルについて調べた。その結果,SNPs2箇所はハプロタイプを形成することが分かったが,これらSNPs部位は少なくとも現在までのところ臨床効果との関連性は見られていない。更に我々はJSNPサイトに登録されていない、重要な遺伝子群のプロモーター領域を中心にSNPs検出を試みている。これにはDHPLC法を用いる検出法を採用しているが,このやり方で現在まで新規SNPsを約10箇所発見しており,これらの臨床効果との関連性を今後検討する予定である。また検出可能となった60箇所のSNPsも順次検索し、臨床効果との関連を調査する予定である。更にインターフェロンはいくつかの特異的副作用を惹起することが知られており,これら副作用との関連性も検討する予定である。
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