研究概要 |
我々は慢性骨髄性白血病の発症や薬剤感受性を左右すると思われる遺伝子群のSNPs解析を行い、発症に関与する因子の同定および薬剤感受性を予知できるか否かの研究を行った。まずインターフェロン感受性に関連すると思われる遺伝子150ほどを一次候補として選び、JSNPに登録してあるかどうかを調べ、登録してある遺伝子群からプロモーター部位とエクソンにミスセンス変異を起こすものを選び出した。更に正常ボランティアから白血球を集めこれをコントロールとした。まず候補遺伝子のSNPs頻度が正常日本人のSNPs頻度と有意差があるどうかを検討した。つまり、CDK2,CEBPE, CylinD1, CYP1A1, CYP1A2, CYP2D6, GSTT2, GSTM1, IL12RB1, IL12B, IRF6, NQO1, ASB1, ASB2, CDKN1, CDKN3, GM-CSF, HDAC3, IFNGR2, JAK1, JAK3, PLCG1, TGF等の遺伝子の複数箇所に認められたSNPsを対象として、それぞれの頻度を正常人とと比較し、慢性骨髄性白血病の発症と関連する遺伝子を検索したが、いずれのSNPsも慢性骨髄性白血病の発症とは有意に関連していなかった。 次に、薬剤感受性を左右する可能性として、上記遺伝子群に加え、我々が見つけたIFNRA1とIFNRA2のSNPsと臨床経過(急性転化までの期間)に有意差があるかいなかを検討したが、残念ながら有意差は確認できなかった。一部症例は解析症例数が少ない為に有意差が出なかった可能性があり、これらについては引き続き研究を続ける予定である。
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