• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

糸球体腎炎における補体調節蛋白の機能的解析と新しい治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13671100
研究機関東京大学

研究代表者

南学 正臣  東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90311620)

研究分担者 奥田 俊洋  東京大学, 保健センター, 助手 (80177170)
キーワード補体 / 補体調節蛋白 / 腎不全 / 糸球体腎炎 / 蛋白尿 / 尿細管 / 遺伝子導入
研究概要

本研究の目的は、申請者が従来より追求してきた腎疾患における補体および補体調節蛋白についての研究を更に発展させ、それに基づく新たな治療法を開発することにあった。
今年度は、よりヒトの慢性腎疾患に近いモデルを利用するため、C6欠損ラットに5/6腎摘腎不全モデルを引き起こし、このモデルではC6の欠損が腎不全進行を抑制することを示した。両群間では血圧および蛋白尿の量には有意差がなかったにもかかわらず、この腎不全進行の抑制は尿細管間質障害の軽減を伴っていた。本モデルの糸球体病変は非免疫学的機序によるものであり、この結果は蛋白尿の中に含まれる補体成分による尿細管間質障害が、腎不全の進行に深く関わっていることを明らかにするものである。
更に、新たな治療法開発の試みとして、膜結合型補体調節蛋白を遺伝子工学的に可溶型にしたものを、肝臓にアデノウイルスの系を用いて遺伝子導入することにより、流血中のリコンビナント可溶型補体調節蛋白が免疫学的糸球体腎炎を抑制することを、メサンギウム増殖性糸球体腎炎動物モデルを利用して明らかにした。従来の研究により、腎臓への直接の遺伝子導入は困難であることが分かっており、肝臓で可溶型のリコンビナント蛋白を産生させることが腎疾患に有効であることを示したことは、大変重要な知見である。また、生体に本来備わっている補体調節蛋白を治療に応用することは、その特異性や生体適合性などを勘案すると非常に理にかなった治療法であり、今後の更なる展開が期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Nangaku et al.: "Anti-hypertensive agents inhibit in vivo the formation of advanced glycation end products and improve renal damage in a type 2 diabetic nephropathy"J Am Soc Nephrol. (In press).

  • [文献書誌] Shao, Nangaku et al.: "Imbalance of T cell subsets in angiotensin II-infused hypertensive rats with kidney injury"Hypertension. (In press).

  • [文献書誌] Nangaku M.: "Final common pathways of progression of renal diseases"Clin Exp Nephrol. 6. 182-189 (2002)

  • [文献書誌] Nangaku et al.: "C6 mediates chronic progression of tubulointerstitial damage in remnant kidney rats"J Am Soc Nephrol. 13. 928-936 (2002)

  • [文献書誌] Sogabe et al.: "Gene therapy for renal injury model rat using an adenovirus vector encoding the soluble rat Crry gene"Clin Exp Nephrol. 6. 216-223 (2002)

  • [文献書誌] Hanafusa et al.: "Contribution of genetically engineered animals to the analyses of complement in the pathogenesis of nephritis"Nephrol Dial Transplant. 17 Suppl9. 34-36 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi