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2002 年度 実績報告書

シスプラチン誘発急性腎不全における細胞周期調節因子p21の役割について

研究課題

研究課題/領域番号 13671106
研究機関浜松医科大学

研究代表者

菱田 明  浜松医科大学, 医学部, 教授 (70111812)

研究分担者 藤垣 嘉秀  浜松医科大学, 医学部, 助手 (20283351)
米村 克彦  浜松医科大学, 医学部付属病院, 助教授 (40252176)
キーワードシスプラチン / 急性腎不全 / p21 / p27 / サイクリンD_1 / DNA修復 / 砒素 / IGF-1
研究概要

昨年度の研究にてシスプラチン(CDDP)誘発急性腎不全の腎では、1)p21の発現増強が誘導されるとともに、2)DNA修復因子としてのPCNA発現が増強しDNA修復、細胞修復の反応がおきること、3)それらが急性腎不全の軽減に働いている可能性があることを示した。今年度は砒素またはIGF-1を用いて急性腎不全を軽減さた場合に、p21、p27、サイクリンD_1などの細胞周期調節インチとPCNAの発現がどのように変動するかを検討した。CDDP投与の1日前に砒素を経静脈的に投与するとCDDP投与5日目の血清クレアチニン値の上昇、組織障害、アポトーシスの程度が軽減された。この際、p21の有意な変化は来たさなかったが、p27の発現増強、サイクリンD_1の発現低下、PCNAの発現増強を認めた。また、CDDP投与の1日前よりIGF-1を連日腹腔内投与することにより、3日目では、IGF-1投与により腎内p21の発現増強、サイクリンD1の発現低下、PCNAの発現増強を認めた。同時にCDDP投与5日目の血清クレアチニン、尿素窒素値の上昇、組織障害とアポトーシスの程度が改善した。また、p21の作用をより直接に見る目的で、p21のantisense oligodeoxynucleotideおよびrandom control ODNをそれぞれ2mg/Kg、CDDP投与前1日及び、投与後0.5、2、3.5日目に経静脈的に投与した。その結果、未だ予備的段階であるが、CDDPによる血清クレアチニン値の増加が増強される結果を得た。以上の結果は、CDDP誘発急性腎不全の程度とp21、p27、サイクリンD_1、PCNAなどの発現変化とが相関することを示しており、こうした細胞周期調節因子やDNA修復に関与する因子が急性腎不全の発症に重要な役割を果たしていることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sun DF, Fujigaki Y, Fujimoto T, Goto T, Yonemura K, Hishida A: "Mycophenolate mofetil inhibits regenerative repair in uranyl acetate-induced acute renal failure by reduced interstitial cellular response"American journal of Pathology. 161・1. 217-227 (2002)

  • [文献書誌] Zhou H, kato A, Yasuda H, Odamaki M, Itoh H, Hishida A: "The induction of heat shock protein 72 attenuated cisplatin-induced acute renal failure in rat"European Journal of Physiology. 446・2. 116-124 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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