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2001 年度 実績報告書

腎機能低下にともなう骨カルシウム代謝異常の新しい病態と治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671115
研究機関神戸大学

研究代表者

深川 雅史  神戸大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00211516)

研究分担者 角田 隆俊  東海大学, 医学部, 講師 (50276854)
キーワード腎不全 / 骨代謝 / PTH / osteoprotegerin / 尿毒物質
研究概要

腎不全における骨のPTHに対する抵抗性と無形成骨の発症機序を解明する目的で,動物モデルを試作し,検討した.10週齢SD系雄性ラットに,甲状腺副甲状腺摘除(TPTx)を施し,さらに1/2,3/4,5/6腎切除(Nx)またはsham手術を行い,rat PTH(1-34)を0.1μg/kg/hrで持続投与した.飼料はCa 2.0%, P1.0%を用い6週間飼育し,血清分析並びに骨形態計測を行った.TPTx-Nx群は,TPTx-sham群に比し,全て低回転骨に移行ており,類骨量,骨形成率の低下は腎機能低下の程度に依存していた.血清Ca, P,ビタミンD濃度に有意な差はなかった.この類骨量,骨形成率の低下は,週3回4週間のPTHの間歌投与によって用量依存性に改善した.したがって,腎不全で蓄積する何らかの物質が骨のPTHに対する抵抗性を惹起する可能性がある.
次に,PTHによって骨芽細胞に誘導されるRANKLが破骨細胞に作用するのを阻害するosteoprotegerin(OPG)の動態を,腎不全患者において検討した.血清OPG濃度はは,腎機能の低下とともに上昇し,残腎機能のない長期透析患者では正常の5倍に達していた.血液透析による除去はなされず,腎移植によって低下することから,腎臓がOPGのクリアランスに重要な臓器であることがわかった.この蓄積したOPGは試験管内でRANKLを結合する能力を保持していたので,骨組織との比較を行った.OPG濃度は,ES/BSと有意な負の相関関係をしめし,同等のPTHレベルでも,OPGが高い方が骨吸収は低下していた.したがって,腎不全においてはOPGが蓄積するために,破骨細胞の活性化が低下している.この異常は腎不全ではかならず存在するが,PTHがきわめて高い場合にはマスクされていたと考えられる.この他に,腎不全において1-84PTHの分解産物の7-84PTHが蓄積し,従来のintact PTH assayはPTH活性を過大評価していたことが明らかになった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kazama JJ et al.: "Increased circulating levels of osteoclastogenesis inhibitory factor/osteoporotegerin in Patients with chronic renal failure"Am J Kidney Dis. 39. 525-532 (2002)

  • [文献書誌] Fukagawa M et al.: "Skeletal resistance to PTH as a basic abnormality underlying uremic bone diseases"Am J Kidney Dis. 38(Suppl 1). S152-S155 (2001)

  • [文献書誌] Nakanishi S et al.: "Comparison of intact PTH assay and whole PTH assay in long-term dialysis Patients"Am J Kidney Dis. 38(Suppl 1). S172-S177 (2001)

  • [文献書誌] Sato T et al.: "Osteoprotegerin levels before and after renal transplantation"Am J Kidney Dis. 38(Suppl 1). S175-S177 (2001)

  • [文献書誌] Hanafusa N et al.: "Sphingosine 1-phosphate stimulates DNA synthesis in rat mesangial cells from outside of the cell"Nephrol Dial Transplant. 17(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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