研究概要 |
(1)mouse osmosensorのクローニング:S.cerevisiaeのosmosensorであるSho1と相同性が高く,他の既知のcDNAとの相同性が低い部位で多数のdegenerative primerを作成し,これを使ったdegenerative PCRを行った。現在、シークエンスによりmammalianのosmosensorの可能性が高いPCR産物が得られたかを確認している。 (2)MD細胞の培養:SV40 large T-antigenのtransgenic mouseの腎皮質をtrypsinとcollagenaseで処理することによって、尿細管各分節がある程度分離した浮遊液を得ることができる。このなかからMD細胞を得るための方法として、今回は各尿細管細胞の特異的な糖残基に注目し、集合尿細管の糖残基であるDolichos biflorus lectinをFITCで、MD細胞、集合尿細管および近位尿細管のS1とS2分節の糖残基であるHelix pomatia lectinをphycoerythrin (PE)で標識する。これを顕微鏡下で観察しPE-positiveでFITC-negativeな細胞を回収することによって、まず、MD細胞と近位尿細管のS1とS2分節を他の分節から分離できる。以上の過程がMD細胞培養のための最も重要なステップであり、いかにtrypsinとcollagenase処理による細胞へのダメージを少なくするか、また、識別に耐えうる標識が出来るかがカギを握っている。現在、蛋白分解酵素の濃度や処理時間、また、bufferの種類を色々と組み合わせて、最適の分離尿細管細胞が得られる条件を検討している。
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