研究概要 |
本研究では,哺乳類にも存在する可能性の高いosmosensorのクローニングと本態性高血圧の発症に関与していると考えられるTubulo-glomerular feedback (TGF)の血管側からの調節機構を解明することを目的とした。クローニングについては,S. cerevisiaeのosmosensorであるSho1と相同性が高く,他の既知のcDNAとの相同性が低い部位で多数のdegenerative primerを作成し,これを使ったdegenerative PCRを行った。シークエンスを行ったがmammalianのosmosensorの可能性が高いPCR産物は今のところ得られていない。TGFについてはマウスのマクラデンサのcell lineの作成を試みた。SV40 large T-antigenのtransgenic mouseの腎皮質をtrypsinとcollagenaseで処理した後、集合尿細管の糖残基であるDolichos biflorus lectinをFITCで、MD細胞、集合尿細管および近位尿細管のS1とS2分節の糖残基であるHelix pomatia lectinをphycoerythrin (PE)で標識する。標識されていない細胞を除いた後、顕微鏡下でPE-positiveでFITC-negativeな細胞を回収し培養する。現在,この培養細胞をクローン化し、増殖したクローンをMD細胞のmarkerであるCOX-2、bNOS、NKCC2、oxytocin、集合尿細管細胞のvasopressin receptor type 2、Henle上行脚太い部のTamm-Horfall protein、近位尿細管のglucose-6-phosphataseのmRNAに対するprimerを用いたRT-PCRでスクリーニングしMD細胞のクローンを同定している。
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