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2001 年度 実績報告書

新規水チャネルファミリーの機能解析と生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13671124
研究機関自治医科大学

研究代表者

石橋 賢一  自治医科大学, 医学部, 講師 (80223022)

キーワード水チャネル / イオンチャネル / 分子生物学 / 膵外分泌 / アシドーシス / 脱水 / 性成熟 / 尿細管
研究概要

本年度は機能同定の目的で組織分布、生理的変動、病理的変動について検討した。
1.AQPX1は腎臓においては近位尿細管の管腔膜に発現していた。これは管腔膜のすぐ近くのpHが6以下になることから生理的にもAQPX1が機能することが示唆される。一方胃など生理的にもpHが5.5以下になる組織ではAQPX1の発現をみとめなかった。AQPX1は精巣では精粗細胞に発現しているがその他の部分にはみられなかった。AQPX2は膵臓の腺房細胞の基底膜に発現していた。管腔にアルカリを分泌するので基底膜には酸がカウンターイオンとして分泌することが予想されるので生理的にも機能していることが示唆される。
2.ラットを絶食にした場合と食事をフリーにさせCKPZを筋注して6時間後の膵臓でのAQPX2の発現に変化がないかどうかノーザンブロットとウエスタンブロットで検討したところ、AQPX2の発現はRNAレベルで5倍に、タンパクレベルで2倍に増えていた。これは膵臓の外分泌にAQPX2が重要であることを示唆している。
3.ラットの飲み水に塩化アンモニウムまたは重曹をいれてアシドーシスまたはアルカローシスのモデルをつくり、腎臓でのAQPX1の発現をノーザンブロットで検討した。AQPX1の発現には変化がみられなかった。2日間の脱水モデルでも変化はみられなかった。これらの結果からはAQPX1の腎臓での役割ははっきりしない。
4.AQPX1の精巣での発現が性成熟と関係しているかどうか調べる目的でnew born miceのAQPX1の精巣での発現をノーザンブロットで調べた。AQPX1が腎臓で発現しているのに精巣では発現がみられなかった。今後テストステロンで制御されるかどうかなどの検討が必要である。
5.AQPX1は11q14に、AQPX2は2q34-37に染色体上でマップされた。とくに病気との関連は現在のところみつかっていない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzuki M., Matsumoto N., Tsuruoka S., Ishibashi K., Imai M.: "Regulation of EcaC2 by low Ca diet and calcitonin in the kidney"Phluegers Arch. Eur. J Physiol. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Suzuki M, Ooki G, Ishibashi K, Imai M.: "A Single Amino Acid Mutation Results in a Rapid Inactivation of Epithelial Calcium Channels"Biochem Biophys Res Commun.. 291. 278-285 (2002)

  • [文献書誌] Ishibashi K, Imai M.: "Prospect of a stanniocalcin endocrine/paracrine system in mammals"Am J Physiol Renal Physiol.. 282. F367-F375 (2002)

  • [文献書誌] Ishibashi K, Makoto Suzuki, Sei Sasaki, Masashi Imai: "Identification of a new multigene four-transmembrane family (MS4A)related to CD20, HTm4 and b subunit of the high-affinity IgE receptor"GENE. 264. 87-93 (2001)

  • [文献書誌] Kageyama Y, Ishibashi K, Sasaki S, et al.: "Expression of aquaporin 7 and 8 in developing rat testis"Andrologia. 33. 165-169 (2001)

  • [文献書誌] Hoenderop JG, Muller D, Van Der Kemp AW, Hartog A, Suzuki M, Ishibashi K, et al.: "Calcitriol controls the epithelial calcium channel in kidney"J Am Soc Nephrol.. 12. 1342-1349 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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