研究課題/領域番号 |
13671125
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
草野 英二 自治医科大学, 医学部, 教授 (50102249)
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研究分担者 |
安藤 康宏 自治医科大学, 医学部, 講師 (50212676)
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50186798)
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キーワード | 透析患者 / 心血管系合併症 / 血管新生 / 血管内皮前駆細胞 / VEGF |
研究概要 |
本年度は透析患者の末梢血から,血管内皮細胞の前駆細胞を分離してEPO受容体のサブタイプ(完全長型と細胞内領域欠損型)の分布をPolymerase Chain Reaction法を用いて検討する予定だったが結果はnegativeだった。 血管内皮前駆細胞が虚血組織において血管新生を促進することが知られている。従って、今回は透析患者において心血管系合併症が多いことの原因を検索する目的で、これら血管内皮前駆細胞数とその機能を透析患者と年齢を合致させた健常対照者で比較検討した。血管内皮前駆細胞はCD34陽性ないしはAC133陽性単球細胞に含まれるが、これらはflow cytometryにて定量した。また、末梢血の血管内皮前駆細胞はin vitroにおいて培養しても検討した。さらに、患者と対照者において血中のVEGFを測定して比較検討した。 結果は、末梢血のCD34陽性細胞、AC133陽性細胞いずれも透析患者は健常対照者に比べて減少していた。また、in vitroで培養しても透析患者ではこれら血管内皮前駆細胞数は減少していた。血中のVEGF濃度は両者で有意差は見られなかった。 以上から、結論として透析患者では循環血液中の血管内皮前駆細胞は減少していて、このことが透析患者では血管新生が障害され心血管系合併症が多いことに関連する可能性が示唆された。
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