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2001 年度 実績報告書

酸化的ストレスによるミトコンドリア障害と腹膜機能の検討

研究課題

研究課題/領域番号 13671131
研究機関川崎医科大学

研究代表者

佐々木 環  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30187124)

研究分担者 進藤 彰久  川崎医科大学, 医学部, 講師 (00278920)
柏原 直樹  川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
キーワード腹膜 / 腹膜中皮細胞 / 酸化ストレス / 8-OHdG / 硬化性腹膜炎
研究概要

腹峡に対する酸化ストレスの病的意義を、核酸の酸化ストレスマーカー8-hydroxy-dcoxyguanine(8-OHdG)を使用して基礎的検討を行った。ラット腹膜炎モデルをヒビテンアルコールにより作製し、腹膜での8-OHdGの局在を酵素抗体法で検討した。光顕観察では、コントロール群は中皮細胞と中皮細胞下結合織が観察されるが、腹膜炎群では中皮細胞が剥離し、炎症性細胞浸潤が中皮細胞下結合織とその下の筋層にも観察された。この細胞はED-1陽性細胞であった。8-OHdGはコントロール群ではわずかに腹膜中皮細胞に染色が観察されるが、腹膜炎群では腹膜中皮細胞だけでなく、浸潤細胞にも強く染色が観察された。次に、培養ラット中皮細胞を用いて12穴の培養プレート上にそれぞれ1×10^5個の細胞を分け、4.25%,2.5%,1.5%のDianeal液をそれぞれ2m1添加後、48時間後にDianeal液中の8-OHdGを測定し比較した。透析液中の糖液濃度に比例して、8-OHdG量の増加が観察された。CAPD施行症例の腹膜生検組織における8-OHdGの局在を動物モデルと同様に酵素抗体法で検討した。正常腹膜組織では、腹膜中皮細胞に8-OHdGの存在が確認された。硬化性腹膜炎症例では、その染色性が増強した。硬化が進行した症例では腹膜中皮細胞が剥離し存在が確認出来なかった。さらにCAPD患者16例、急性腹膜炎を発症している入院患者2例についても排液中の8-OHdG量を測定した。その結果、8-OHdG濃度、排泄量は年齢との相関は観察されなかったが、透析期間とは正の相関が確認された。また、急性腹膜炎症例では、8-OHdG排泄量が多く、治療経過とともにその減少が確認された。今回、酸化ストレスによる腹膜障害が確認された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T SASAKI, et al.: "Infiltrating mononuclear cells augment new vessel formation during acute peritonitis"J Am Soc Nephrol. 12. 456AI (2001)

  • [文献書誌] T SASAKI, et al.: "Mitochondria of mesothelial cells is major intracellular source of ROS during CAPD"J Am Soc Nephrol. 12. 310A (2001)

  • [文献書誌] T FUKUSHIMA, et al.: "Accumulation of oxidative DNA damage and hOGGl polymorphism are correlated with pathogenesis of diabetic nephropathy"J Am Soc Nephrol. 12. 146A (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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