Endocytic receptorであるメガリンは、ノックアウトマウスの解析から、尿細管における25位水酸化ビタミンDの再吸収に必須であることが示された。しかし、メガリンノックアウトマウスはほとんどが成獣に達する前に死亡するため、詳細なビタミンD代謝の解析を行うことは困難である。そこで、本研究では、in vitroでメガリンの機能を阻害することが報告されているreceptor-associated protein(RAP)の可溶型のものを用いてメガリンの機能を検討することとした。まず、in vitroでの、可溶型RAPとメガリンの結合を確認するため、可溶型RAPのcDNAをGST融合蛋白発現ベクターpGEX-2Tに挿入してpGEX-smRAPを作製し、大腸菌BL21にて発現させ、GST-RAP融合蛋白を調製した。このGST-可溶型RAPをマウス腎より抽出した蛋白質と反応させ、共沈してきた蛋白質を、抗メガリン抗体を用いたWestern blotに供したところ、メガリンと思われるシグナルが検出され、GST-RAPとメガリンの結合が確認された。そこで、可溶型RAP高発現トランスジェニックマウスを作製するため、可溶型RAPのcDNAをpFLAG-CMV-1ベクターに組み込み(pFLAG-CMV-1-smRAP)、マウス受精卵に顕微注入し、二細胞期まで培養した後、偽妊娠マウスの卵管内に移植した。出生したマウスに対してPCR法によりtransgeneを検出し、F0を得たので、正常マウスと交配して生殖系列にtransgeneが組み込まれていることを確認した。現在、RAPのmRNAレベル及び蛋白レベルでの発現確認を行っている。
|