研究課題/領域番号 |
13671150
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 靖博 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50202164)
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研究分担者 |
中山 耕之介 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20322076)
福本 誠二 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30202287)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨芽細胞 / 脂肪細胞 / インターロイキン11 / PPARγ / Smad / トランスジェニックマウス / 骨形成 |
研究概要 |
インターロイキン11(IL-11)による骨髄脂肪細胞と骨芽細胞の分化振り分け機序の解明 (i)IL-11の骨髄脂肪細胞と骨芽細胞の分化振り分けへの関与を検討するために、脂肪細胞分化誘導転写因子PPAR_γおよび骨芽細胞分化に必須の転写因子Smad1の活性化におけるIL-11の役割について、脂肪細胞と骨芽細胞の両者に分化誘導できる株化骨髄間質細胞ST2を用いて検討を行った。PPARγ反応性領域(PPRE-luc)とSmad1反応性領域(BMPRE-luc)をそれぞれ含むルシフェラーゼレポータ遺伝子をST2細胞に導入し、これらの遺伝子の転写活性に対するIL-11の作用をルシフェラーゼ活性を指標に検討したところ、IL-11はtroglitazoneで誘導されるPPRE-lucの活性を抑制し、BMP-2で刺激されるBMPRE-lucの活性をさらに促進した。IL-11で活性化される転写因子STAT3およびそのdominant negative変異体を発現させると、BMPRE-lucに対するIL-11の促進作用は抑制された。 (ii)IL-11の役割をin vivoでも明らかにするために、Mxプロモータの下流に組み込まれたヒトIL-11遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの骨・骨髄組織、骨形態計測をコントロールマウスと比較検討した。このトランスジェニックマウスでは、各臓器でヒトIL-11遺伝子の発現が認められ、特に骨および骨髄での過剰発現が確認された。一方、骨髄培養液中のヒトIL-11は10pM程度であったが、血中のヒトIL-11レベルは測定感度以下であり、このマウスにおけるヒトIL-11の骨に対する作用は骨での局所作用であると考えられた。10週齢IL-11トラシスジェニックマウスでは骨格系には変形や異常を認めなかったが、その大腿骨の骨密度は対照に比して高値であり、皮質骨の肥厚が観察された。骨形態計測ではトランスジェニックマウスにおける骨形成の亢進が認められた。
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