研究課題/領域番号 |
13671166
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研究機関 | 甲子園大学 |
研究代表者 |
田中 清 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (90227132)
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研究分担者 |
折田 義正 甲子園大学, 栄養学部, 教授 (70028398)
小川 佳宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (70291424)
田上 哲也 国立京都病院, 臨床研究部, 厚生労働技官内科医師 (60273439)
梅沢 真樹子 甲子園大学, 栄養学部, 助教授 (80231182)
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キーワード | 甲状腺ホルモン / 成長板軟骨 / クレチン症 / 脱ヨード酵素 / ATDC5細胞 |
研究概要 |
甲状腺ホルモンは成長板軟骨の成長に不可欠であり、成長期の甲状腺ホルモン欠乏は著しい低身長をきたすが、従来その機構は不明であった。軟骨前駆細胞ATDC5に甲状腺ホルモンを添加したところ、広範に軟骨分化マーカー遺伝子発現を促進した。マウス長管骨器官培養において、甲状腺ホルモンは長管骨の長軸方向への成長を促進し、組織学的にも肥大化軟骨層を増加させた。甲状腺ホルモンにはサイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があるが、上記の甲状腺ホルモンのATDC5・長管骨器官培養に及ぼす作用は、T3のみではなくT4によっても認められた。T3が活性化ホルモンであり、T4はプロホルモンに過ぎないので、今回の結果は、甲状腺ホルモンが軟骨局所で活性化されていることを強く示唆する。ATDC5・長管骨において、甲状腺ホルモン代謝酵素(iodothyronine deiodinase)の遺伝子発現・酵素活性が、認められた。酵素活性は分化後期で高い傾向が見られた。酵素阻害剤による実験結果から、type-II deiodinaseが局所でのT3産生に関わっていると考えられた。T4による長管骨の成長促進作用はdeiodinase阻害剤添加によって阻止された。以上の結果は、甲状腺ホルモンは成長板軟骨局所で活性化され、分化促進的に作用することにより、骨の長軸方向への伸長を促進するものと考えられた。
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