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2002 年度 実績報告書

糖尿病発症の環境因子-ウイルス誘発糖尿病の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671174
研究機関群馬大学

研究代表者

宇都木 敏浩  群馬大学, 医学部, 助手 (10282386)

研究分担者 神田 享勉  金沢医科大学, 医学部, 教授 (40261838)
キーワードウイルス誘発糖尿病 / EMCウイルス / 成熟リンパ球 / 膵ラ氏島 / アポトーシス / パーフォリン / ノックアウトマウス
研究概要

ウイルス誘発非肥満糖尿病の防御機構の解明
肥満2型糖尿病のモデル動物には、db/dbマウス、ob/obマウスがあり、その原因はそれぞれレプチン、レプチン受容体の遺伝子変異である。一方、環境因子による糖尿病のモデル動物には、ストレプトゾトシンやアロキサンという化学物質によるものしかなかった。また従来のウイルス誘発糖尿病モデルの全てがインスリン依存糖尿病(1型糖尿病)のモデルであった。本モデルは、環境因子としてウイルス感染がインスリン抵抗性を伴わないインスリン非依存糖尿病を誘発することを示した世界で最初の糖尿病モデルである。
本モデルの糖尿病発症に関し、どの免疫担当細胞が防御に関与するかRAG2遺伝子、CD4+T細胞、CD8+T細胞、B細胞のノックアウトマウスにEMCウイルスNDK25株を接種した。接種前後に経口ブドウ糖負荷試験を施行することにより、成熟リンパ球が防御に必要であることが明らかになった。CD4+T細胞、CD8+T細胞、B細胞の単独ノックアウトマウスには、防御機構が残り、糖尿病を発症しない事により、成熟リンパ球が全て欠乏した状態でウイルスが膵ラ氏島に直接感染し、糖尿病を発症することが判明した。さらにパーフォリンの役割を見るためパーフォリンノックアウトマウスにEMCウイルスを摂取した。成熟リンパ球が全て欠乏したマウスでパーフォリンの存在しないマウスでは糖尿病は発症しないことから、宿主の防御機構が低下している場合でも宿主のパーフォリンの存在が膵ラ氏島細胞障害に必要であることが示された。
以上の研究の結果、ウイルス誘発非肥満糖尿病の発症に関し、宿主の防御能の違いにより膵β細胞障害の程度が異なることが示された。すなわち同じ環境要因によっても発症に個体差が生じることがモデル動物で示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ohyama Y., Utsugi T., et al.: "The elevated proinsulin-insulin ratio is associated with oxidative stress in Downs syndrome"Diabetologia. 44. 788-789 (2001)

  • [文献書誌] Ito Y., Utsugi T., et al.: "Role of blood pressure in the progression of microalbuminuria in elderly Japanese type 2 diabetic patients"J of International Medical Research. 29. 280-286 (2001)

  • [文献書誌] Ito H., Utsugi T., et al.: "Angiotensin-converting enzyme insertion/deletion polymorphism and polyneuropathy in type 2 diabetes without macroalbuminuria"J of International Medical Research. 30. 476-482 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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