| 研究課題/領域番号 |
13671182
|
|---|
| 研究機関 | 名古屋大学 |
|---|
研究代表者 |
葛谷 雅文 名古屋大学, 医学部・附属病院, 講師 (10283441)
|
|---|
| 研究分担者 |
神田 茂 名古屋大学, 医学部・附属病院, 医員
井口 昭久 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20109763)
|
|---|
| キーワード | マトリックス・メタロプロテアーゼ / 血管内膜肥厚 / 血管平滑筋細胞 / 遺伝子欠損マウス |
|---|
| 研究概要 |
1.内皮障害モデルの作成
(1)マウス(C57BL/6)の血管内膜肥厚に関し、種々のモデル(左総頚動脈結紮モデル、大腿動脈カフモデル、大腿動脈スプリング・ワイアーによる障害モデル)を作成し、評価したところ、左総頚動脈結紮モデルが最も一定した内膜肥厚を簡便に作成できることが判明し、以後このモデルを使用し評価した。
(2)MMP-2遺伝子欠損変異マウスでは左総頚動脈結紮後2週、4週後ともに野生型マウスに比較し、有意に内膜肥厚の形成が抑制されることが明らかとなった。
2.マウス大動脈エクスプラントモデルの作成
マウス胸部大動脈を取り出し、外膜剥離後、切開しtissue chopperを用い一辺1mmの正方形の大動脈切片を作成する。その後コラーゲンでコーティングされた丸底96-well plateに上記の組織を一切片づつ移し、血清を含まないメディウム内(PDGF-BB, FGF-2を混入)で培養した。組織より平滑筋細胞が遊走してくる状況を定量化したところ、MMP-2遺伝子欠損変異マウス由来の大動脈切片は野生型由来に比較し、有意に切片からの平滑筋細胞の遊走が低下していることが明らかとなった。なお、大動脈切片から遊走してきた細胞は全てα-smooth muscle actin positiveであった。 さらに、組織の上清を採取し、ゼラチン・ザイモグラムを行ったところ、野生型マウス切片の組織上清にはMMP-2ならびにMMP-9が認められたが、MMP-2遺伝子欠損変異マウスでの切片上清にはMMP-9のみが観察された。
以上より、MMP-2は中膜平滑筋細胞の細胞外マトリックス蛋白を介する遊走(浸潤)、ならびに血管内膜肥厚に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
|
