各種高脂血症患者、糖尿病患者、冠動脈疾患患者において血清アポB48の濃度を、空腹時及び脂肪負荷時において測定し、以下の結果を得た。 1)CD36欠損症 我々は、最近CD36欠損症がインスリン抵抗性(Lancet. 2001)、長鎖脂肪酸代謝障害(J Nucl Med. 2000)を有することを発見、報告した。本症8例について検討した結果、中高年の5例においては、空腹時におけるアポB48濃度の増加、脂肪負荷試験においてピークの高値、遷延を認めた。一方、若年の2例においては、インスリン抵抗性は認めるもののアポB48の濃度は対象と差を認めなかった(Diabetes Care. In press. Trends in Cardiovas Med. In press)。 2)糖尿病患者 インスリン非依存型糖尿病患者において、血清アポB48濃度を測定した。糖尿病患者においては、正脂血症例においても血清アポB48濃度が高値であり、糖尿病患者では、小腸由来リポ蛋白代謝の障害が存在することが示された(平成15年、日本循環器学会総会にて発表)。 3)冠動脈疾患患者 関連病院との検討とのもと、虚血性心疾患、冠動脈疾患を有する患者において空腹時のデータ、脂肪負荷時おけるアポB48の濃度について検討中である。
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