研究課題/領域番号 |
13671213
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本山 悟 秋田大学, 医学部, 講師 (60292372)
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研究分担者 |
斉藤 礼次郎 秋田大学, 医学部, 講師 (90272038)
南谷 佳弘 秋田大学, 医学部, 助教授 (30239321)
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キーワード | 肝虚血 / アポトーシス / 過酸化水素 / グルココルチコイド / ミトコンドリア / Bcl-2 / 類洞内皮細胞 |
研究概要 |
虚血性肝障害進展機序を分子生物学的に解明し、臨床応用を視野に入れたグルココルチコイドによる虚血性肝障害抑制について研究した。摘出ラット肝を用い、門脈流入量を25%まで減少させ、2時間灌流させた、肝虚血モデルを作成し、酸素ラジカルとアポトーシスが関与した虚血性肝障害進展機序、アポトーシス抑制遺伝子であるBcl-2の関与、臨床応用に直結するグルココルチコイドによる虚血性肝障害抑制機序について検討した。その結果、肝虚血によりキサンチンオキシダーゼ由来の過酸化水素が、肝小葉内midzoneで肝実質細胞より産生され、類洞内皮細胞が選択的にアポトーシスとなった。類洞内皮細胞のアポトーシスから始まる新しい虚血性肝障害進展機序を発見した。肝虚血によりアポトーシスとなる類洞内皮細胞でミトコンドリア内Bc1-2は有意に減少した。メチルプレドニゾロンをhigh dose(30mg/kg)、low dose(3mg/kg)で前投与したところ、酸素ラジカルの産生は抑制しなかったが、虚血によるミトコンドリア膜電位の低下を有意に抑制した。以上、肝虚血によって産生される酸素ラジカル由来の虚血性肝障害に対するグルココルチコイドのミトコンドリア保護効果およびBc1-2の関与が明らかとなった。
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