研究分担者 |
中西 加寿也 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272326)
志賀 英敏 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20282478)
平澤 博之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114320)
仲村 将高 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (30315436)
松田 兼一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (60282480)
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研究概要 |
本年度は,新しいサイトカイン吸着カラムの開発に向け,現在市販されている各種吸着剤及び開発中の吸着剤のサイトカイン吸着特性をin vitroで検討した。検討に用いた吸着剤は,免疫吸着剤として自己免疫疾患や神経・筋疾患の治療に用いられているイムソーバTR,PH,セレソーブ,透析患者のβ2-microglobulinの除去に用いられるリクセル,高分子研究所で開発・臨床試験中のCF-Xである。これらの吸着剤を敗血症性ショック患者より採取した患者血清と,37℃,60分間接触させ,TNF-α,IL-1β,IL-6,IL-8,IL-10の各サイトカインとアルブミン及びIgGの吸着率を検討した。いずれの吸着剤もある程度サイトカインを吸着するが,とくにCF-XはTNF-αで100%,IL-6で98.9%,IL-8で69.9%,IL-10で88.7%と高い吸着特性を示すことが判明した。しかし,免疫吸着カラムとして開発されたCF-XはIgGに対しても75.5%と高い吸着率を示すため,このままサイトカイン吸着カラムとして臨床応用するには問題がある。そこで,CF-XにMPCをコーティングした新しい吸着剤MPC-FX20及びMPC-FX20Nを開発し,同様の検討を行った。その結果,新しい吸着剤,とくにMPC-FX20はIgGの吸着率は23.0%へ低下するが,各種サイトカインの吸着率はCFXとほぼ同様の値を示すことが判明した。今後はMPCの架橋密度をさらに検討することにより,より選択的にサイトカインのみを吸着する吸着剤を開発可能と思われる。
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