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2001 年度 実績報告書

血管内ステント留置後再狭窄発生メカニズムの実験病理的研究-ウサギ頚動脈再障害モデルによる検討-

研究課題

研究課題/領域番号 13671218
研究機関東京大学

研究代表者

重松 宏  東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40134556)

研究分担者 大城 秀巳  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272558)
小山 博之  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10241994)
キーワードステント / 再障害 / バルーン障害 / 内膜肥厚 / 再狭窄 / ラビット
研究概要

本研究の目的は、ステント内再狭窄発生のメカニズムを実験的に明らかにすることにある。従来の動物実験モデルは正常血管にステントを留置しその反応を検討するものがほとんどであった。しかし実際のステント留置は動脈硬化などによって狭窄した動脈に施行されるため、実験で得られた知見が臨床に反映されにくいことが問題であった。従って、本研究では予めバルーン障害で内膜肥厚を誘導し実際の病変血管に近似させた動脈に対しステントを留置する実験モデルを用いて検討した。まずラビット外頚動脈の分枝より2Fフォガティーカテーテルを頚動脈内に挿入し内腔を障害した。28日後この頚動脈には内膜肥厚巣が形成されるため、今度は外頚動脈から径3mmの冠動脈用のPalmazステントを頚動脈内に挿入し8気圧で拡張し留置した(ステント群)。対照はステントの変わりにPTCAバルーンで頚動脈を8気圧で拡張したものを用いた(バルーン群)。内腔の走査電子顕微鏡による観察では両群とも施術後2日では血球細胞の付着を認めたが、ステント群では白血球の付着が術後14日をすぎるまで持続した。また肥厚内膜巣の細胞増殖は両群とも術後2日では増加を認めたもののバルーン群では一過性ですぐにもとのレベルに戻ったのに対しステント群では術後14日まで有意に増加していた。またステントストラット周囲にはステント群において遷延するマクロファージの浸潤が観察された。同部位にはサイトカインの発現やMME, UPAといったプロテアーゼ活性の増加が認められた。細胞外マトリックスにも変化がありステント郡ではバルーン群とくらべプロテオグリカンの発現が多く観察された。この様に、ステント留置はバルーン拡張単独時と比べ、動脈病巣における細胞増殖やプロテアーゼ活性、プロテオグリカンの増加が見られるため、ステント内再狭窄形成には複合した病態が関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Inoue S, Koyama H, Miyata T, Shigematsu H: "Cell replication induces in-stent lesion growth in rabbit carotid artery with preexisting intimal hyperplasia"Athero sclerosis. (in press).

  • [文献書誌] Inoue S, Koyama H, Miyata T, Ahigematsu H: "Pathogenetic heterogeneity of in-stent lesion formation in human peripheral arterial disease"Journal of Vascular Surgery. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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