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2003 年度 研究成果報告書概要

肝臓移植における脂肪肝移植の成績向上に向けての研究

研究課題

研究課題/領域番号 13671229
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 外科学一般
研究機関大阪医科大学

研究代表者

林 道廣  大阪医科大学, 医学部, 講師 (90314179)

研究分担者 田中 紘一  京都大学, 医学研究者, 教授(大阪医科大学客員教授) (20115877)
谷川 允彦  大阪医科大学, 医学部, 教授 (00111956)
研究期間 (年度) 2001 – 2003
キーワード肝臓移植 / 脂肪肝 / 肝細胞増殖因子(HGF) / コリン・メチオニン欠乏食 / アポトーシス / 肝再生 / 保存・再灌流障害 / 冷保存
研究概要

脂肪肝の肝臓移植後に発生する肝グラフト機能不全を防止する方法は、いまだ開発されていない。本研究で、脂肪肝における肝グラフトのviabilityの低下を肝細胞増殖因子(HGF)によって防止し、移植後の生存率を向上せしめうるか否かを検討した。
ラットにコリン・メチオニン欠乏食15日間投与による実験的脂肪肝を作成し、肝グラフトをUW液中12時間冷保存した後に同所性肝移植を行った。移植前に肝ドナーのラットにHGFを全身投与したのちにグラフト灌流液と保存液中にHGFを添加した群では、非投与の対照群に対して、グラフト流出液中およびレシピエント血清中のGOT、GPT、LDHが有意に低値であり、ヒアルロン酸の取り込み率も有意に良好であった。肝移植後生存率は、HGFを非投与の対照群で33%(18例中6例生存)であったのに対し、83%(18例中15例生存)と有意に生存率の改善を認めた。再灌流2時間後の肝グラフトの光顕所見では、対象群に比較し、投与群で肝類洞の欝血はより軽度であり、脂肪滴も少量で小型であった。電顕所見およびTUNEL染色では、投与群で類洞内皮細胞の障害はより軽度であり、肝細胞および類洞内皮細胞のアポトーシスもより軽微であった。さらに、投与群においてBrdU陽性肝細胞数は対象群に比較して増加しており、HGFの肝再生促進効果が示唆された。また、HGF投与12時間後のドナーラットの体重、肝グラフトの重量、ラット血清中GOT、GPT、LDHは非投与の対照群と比較して差はなかったが、血清Total cholesterol、triglyceride、LDL、VLDL値は有意に上昇していた。
以上より、脂肪肝移植において、ドナーおよびグラフトへのHGF投与による移植後生存率の改善が得られ、その機序には、保存・再灌流による肝細胞および類洞内皮細胞の両方の障害に対して、HGFによる前処置の保護効果が関与すると考えられた。

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公開日: 2005-04-19  

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