研究課題/領域番号 |
13671230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 章 京都大学, 医学研究科, 助手 (60324646)
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研究分担者 |
前田 賢人 京都大学, 医学研究科, 助手 (10314220)
有井 滋樹 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50151171)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 助手 (00108995)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 腫瘍血管新生 / 遺伝子治療 |
研究概要 |
1、腫瘍血管新生構築過程の解析 HT1080ヒト線維肉腫細胞を用いて腫瘍血管の微細構造を比較検討を行ったところ、VEGF遺伝子導入株腫瘍では出芽型血管新生が有意に多く、周皮細胞の被覆率が有意に低いことを見いだしている。 大腸癌の臨床標本を用いて、血管内皮細胞と周皮細胞を免疫二重染色を行ったところ、腫瘍血管の豊富な症例は予後不良の傾向であり、なかでも周皮細胞に被覆されていない未熟な血管が多い症例では、血行性転移が多く予後がより悪化する傾向であった。 2、癌の病態に応じた抗腫瘍血管新生遺伝子治療法の開発 我々が創出したRCN9ラット大腸癌細胞創部再発モデルにおいて、VEGF受容体Flt-1の可溶型sFltを遺伝子導入した自家線維芽細胞を腹腔内投与することにより、優れた創部再発抑制効果を報告した。 マトリックスメタロエラスターゼ(MME)遺伝子をHVJリポソームに封入し作成したHVJ-MMEを用いて、CT26マウス大腸癌皮下腫瘍モデルに対する血管新生抑制効果および腫瘍増殖抑制効果を報告した。 プラスミドDNAのみで肝臓に効率に遺伝子導入できるhydrodynamic transfection methodを用いて、内因性血管新生抑制因子であるエンドスタチンを肝臓に遺伝子導入すると、CT26マウス大腸癌細胞の脾注肝転移モデルにおいて転移抑制効果を認めた。 肝細胞癌と転移性肝癌の臨床標本を用い、腫瘍のエネルギー獲得機構を解析したところ、前者では腫瘍血管新生が豊富で有酸素代謝に依存し、後者では解糖系酵素が亢進し無酸素代謝に依存する傾向を認めた。 低酸素下で発現する転写因子HIF-1に誘導される自殺遺伝子発現システムを開発し、in vitroにおいて、低酸素培養下での癌細胞死誘導を認めた。in vivoにおいて、この低酸素下自殺遺伝子誘導システムと抗血管新生治療の併用による相乗効果を見いだしている。
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