研究課題/領域番号 |
13671237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
近藤 和也 徳島大学, 医学部, 講師 (10263815)
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研究分担者 |
三好 孝典 徳島大学, 医学部附属病院, 助手 (20346612)
門田 康正 徳島大学, 医学部, 教授 (60028628)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | アンチセンス / リポソーム / 肺癌 / オリゴヌクレオチド / 抗癌剤 |
研究概要 |
<H13年度> 5-FUの治療効果に最も影響する酵素thymidylate synthase(TS)の発現をdown regulateするために有効なantisense oligonucleotideの配列決定するため、Open reading frame(ORF)の始め、exon1内、exon1-intron1の境界部分をターゲットとするFITC化S化したantisense oligonucleotide(ODNs)及びrandom ODNs(control)を作製した。cationic型のHVJ-リポソーム(アンチセンスDNAを含む)を調整し、肺癌細胞株Ma10、Ma25(2x10^5細胞)に導入しTSの発現をRT-PCRにて測定した。ORFの始めのantisense ODNsによって、最高でTSの発現が50%抑制された(RT-PCR及び酵素活性にて)。そして、5-FUのIC50を約20%低下させることがわかった。しかし、その発現低下は細胞株によって異なり、antisense ODNsによるdose-respose curveを描いていない。蛍光顕微鏡にてFITC化ODNsが細胞の核に入っているかどうかを検討し、細胞内へのantisense ODNsの導入効率が悪いことに原因があることがわかった。コンピューター解析にて新しいTS antisense ODNsを作製した。612及び617である。しかし、両antisense ODNsとも有意にTSの発現を低下させることができなかった(Fig.4)。 <H14年度> 効果的なTS antisense ODNsを作製できないため、リポソームに抗癌剤を封入しin vitroの抗腫瘍効果を検討し、in vivoでの経気道投与の可能性を検討した。ローダミン標識CDDPリポソームを使用した。CDDP単独のIC50が40ug/mlであるのに対して(48,96hr incubationのIC50は変化なし)、CDDP-liposomeは48hr incubationでは10ug/ml、96hr incubationでは1.5ug/mlであった。CDDP-liposomeはCDDP単独よりIC50は低く、長期incubationすることでその抗腫瘍効果は増大する。次にSCIDマウスをプラスチック・ボックスに入れ、ネブラーザーによりローダミン標識CDDPリポソームをエアゾル化しボックス内に投与した。蛍光顕微鏡にて観察するとコントロールのマウスの肺では、ローダミンが検出されないのに対してローダミン標識CDDPリポソーム投与群はローダミンが検出された。ローダミンの検出される領域は散在性で、瀰漫性ではない。投与されたマウスによってもローダミンの検出量には違いがある。リポソームに抗癌剤を封入し、経気道投与による肺癌の治療の可能性があることが示唆された。
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