研究概要 |
<傷害肝グラフト肝移植モデルの作成> 以下の2群のモデルを作成し門脈圧、生存率を検討した。 Group I…30%部分肝移植 Group II…splenopexy→30%部分肝移植 【結果】現段階では、Group Iにおいて、3日程度の生存しか得られていない。技術的には肝静脈吻合部狭窄が最大の問題点であった。また過小グラフトに対する門脈圧が高いことも原因の1つと考え、移植前に門脈圧を低下させる目的でsplenopexyを施行Group IIとした。Group IIに部分肝移植を施行すると圧は20-23cmH2Oと低下するも、未だ高値で生存延長を認めなかった(通常10-12cmH2O)。 <遺伝子導入肝グラフト作成> ラット肝移植モデル(wister rat250-300gを使用)において、冷保存中のグラフトへ肝へportalv.からNaked plasmidをUW solution(high pressure)とともにdirect injectionした場合の再灌流24時間後Luciferase活性を測定した。さらに同条件下でelectroporationの遺伝子導入効果についても検討した。以下の3群で再灌流24時間後のLuciferase活性を測定した。 Group I…Control Group II…Naked plasmid direct injectionのみ Group III…Direct injection+Electroporation 【結果】 GroupIIで5000RLU/μgBSA, GroupIIIで10000RLU/μgBSAのLuciferase活性を得た。冷保存中の遺伝子導入は可能であり、導入効率はelectroporationにより上昇したが、加圧による肝組織障害が著しく、長期生存は不可能であった。そこで、portalV.からの加圧なしで、同様の条件にて上記3群で比較したところ、GroupII, IIIともに導入効率は約1/15へ低下した。 Electroporationを用いれば冷保存中の遺伝子導入が可能であった。今後、さらにelectroporationの設定条件、保存条件などを変えて検討予定。
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