経口的に投与された蛋白質に対する免疫寛容が生じることは広く知られている。そこで、ドナー抗原の経口投与が移植片に対して特異的免疫寛容を誘導するかを調べ、またその効果を増強するために、抗CD4抗体を併用した。抗CD4抗体とドナー抗原(ドナーの脾細胞またはK^b分子)の経口投与は移植心を100日以上生着させた。その上、K^b分子だけを発現している細胞の経口投与で、すべての主要組織適合性抗原が異なる移植心が完全生着した。誘導された免疫寛容は、CD4陽性T細胞の移入で無処置マウスへ移すことができた。よって、今回のプロトコールではindirect antigen recognitionにより免疫制御性のCD4陽性T細胞が誘導され、linked suppressionを通じて移植片の永久生着を誘導したと推論される。
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