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2001 年度 実績報告書

異種移植のためのブタMHC領域の遺伝子構造解析によるDNAタイピング法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 13671256
研究機関東海大学

研究代表者

安藤 麻子  東海大学, 医学部, 講師 (40101935)

研究分担者 佐田 正晴  国立循環器病センター研究所, 室長 (20162399)
椎名 隆  東海大学, 医学部, 助手 (00317744)
キーワード異種移植 / ミニブタ / MHC / SLA領域 / HLA領域 / ゲノム構造 / SLA遺伝子 / DNAタイピング
研究概要

ブタからヒトへの異種移植の可能性を追求することを目的として、ヒトとブタのMHCクラスI領域の遺伝子構成の差異を明らかにするとともに、両種のMHCクラスI発現遺伝子の相同性や発現量などを比較するためにブタMHC(SLA)クラスI遺伝子のDNAタイピング法の確立に必要な条件の検討を行った。まず、ヒトとブタのMHCクラスI領域の遺伝子構成を比較するために、SLAクラスI領域の塩基配列未決定領域であるS遺伝子周辺のテロメア側350kbの領域について塩基配列決定を行った。この領域の詳細な塩基配列解析を完了した144,460bpの挿入断片を持つBACクローン(353A11)には、HLAクラスI相同領域と同様、転写因子IIH、コラーゲン受容体遺伝子並びに、ヒトの脳に発現しているKIAA1885遺伝子と相同性を有する新規遺伝子の存在が明らかになった。さらに、この領域のヒトESTを含む全ての遺伝子の位置関係はヒトとブタ間で完全に保存されていたが、ドットマトリックス解析の結果、ブタのこの領域の塩基配列は、ヒトの相同領域と比較して約42kb短いことが示された。
また、SLAクラスI遺伝子のDNAタイピング法を確立するために、SLA-1,-2,-3遺伝子の第1-第3エキソン間の各クラスI遺伝子座を特異的に増幅するプライマーを設計し、32頭のブタについて、RT-PCRを行った。PCR産物の塩基配列解析の結果から、3遺伝子座をそれぞれ特異的に増幅するプライマーが設計できたことが明らかになった。さらに各遺伝子座において新対立遺伝子が見いだされた。また、クラウンミニブタのSLAクラスII-DNAタイピングのデータを含めた家系解析により、SLAクラスI,IIホモ接合体のブタを検出することができたことから、今回開発したSLAクラスI-タイピング法は、同種及び異種移植実験に有用なSLA遺伝子純系ミニブタの作出にも有効であると考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Ando et al.: "cDNA cloning and genetic polymorphism of the swine major histocompatibility complex(SLA)class II DMA gene"Animal Genet. 32. 73-77 (2001)

  • [文献書誌] Shiina et al.: "Genomic anatomy of a premier major histocompatibility complex pralogous region on chromosome 1q21-q22"Genome Res. 11. 789-802 (2001)

  • [文献書誌] Tsuda TT et al.: "Phylogenetic analysis of penguin(Spheniscidae)species based on sequence variation in MHC class II genes"Immunogenetics. 53. 712-716 (2001)

  • [文献書誌] Kulski JK et al.: "Genomic and phylogenetic analysis of the human CD1 and HLA class I multicopy genes"J Mol Evol. 53. 642-650 (2001)

  • [文献書誌] Sano K et al.: "The absence of disease-specific polymorphisms within the HLA-B51 gene that is the susceptible locus for Behcet's disease"Tissue Antigens. 58. 77-82 (2001)

  • [文献書誌] Kawauchi A et al.: "Susceptibility to vesicoureteral reflux in Japanese is linked to HLA-DR antigen"Pediatric Urology. 58. 1036-1039 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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