研究概要 |
本研究は、ウサギ総頚動脈に血管端側吻合を作成し、この吻合部における局所の壁ずり応力と、同吻合部の免疫病理組織学的所見の比較を行うものである。 日本白ウサギを用いて、総頚動脈端側吻合モデルを作成した。これまでに11羽のウサギに手術を行った。残念ながら、うち6羽は手術中から手術翌々日までに死亡してしまった。5羽が生存し、手術後2週間で吻合血管が採取できた。これらの血管は全例開存していた。生理的内圧下でホルマリン固定した後、採取した。残念ながら死亡したウサギの血管も実験のコントロール標本として同様に生理的内圧下でホルマリン固定した後、採取した。 これらの採取した吻合血管は、BrdU及びMIBで免疫病理組織学的研究を行う予定であり、現在標本作製中である。この免疫病理組織学的研究により、吻合部局所の細胞分裂の頻度分布を求めることができ、局所壁ずり応力の分布と比較することにより、壁ずり応力が血管内膜remodelingに及ぼす影響を解析する予定である。これまでの研究成果を、昨年5月の第37回欧州外科研究学会(European Society for Surgical Research)において、「Topical wall shear stress and intimal hyperplasia at end-to-side anastomosis」と題して発表した。この内容は抄録集「Proceedings of the 37^<th> Congress of the European Society for Surgical Research,2002,pp365-368」に収載された。
|