研究課題/領域番号 |
13671279
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川本 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (30282354)
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研究分担者 |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
轟 健 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (70114105)
正田 純一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90241827)
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キーワード | 胆嚢癌 / MY.IE12 / MUC 1 / ムチン / 予後 / 再発 / 免疫染色 |
研究概要 |
本年度はまず、pT2胆嚢癌切除標本31例における MY.1E12 binding MUC 1 ムチン発現と再発様式及び予後を検討した。ムチン発現が癌周囲間質組織にみられる(間質型)ものとみられないものとで比較すると、前者に有意に腹膜播種性転移再発が多く、5年生存率が不良であるという結果が得られた。この結果は Clinical Cancer Research 誌(2001)に掲載された。間質型に腹膜播種性転移が多いことに関して、MY.1E12 binding MUC 1 ムチンと E-cadherin 発現の相互関係を免疫組織染色にて検討したところ、ムチン発現の type に関わらず、E-cadherin 発現は約9割の症例でいわゆるreduced type を示したことから、pT2 胆嚢癌において E-cadherin は正常な機能を有していない可能性が示唆された。この結果は米国消化器病学会(DDW 2001 Atlanta)において発表の機会を得た。現在、我々が所有している胆道癌細胞株の MY.1E12 binding MUC 1 ムチン発現量の定量が終了し、コラーゲンゲル内での発現を免疫組織染色で確認している。その後、3次元培養による浸潤アッセイを開始する予定である。一方、肝転移モデルの作製は順調に進行しているが、常に安定した転移を形成させるための工夫検討を行っている。また、MY.1E12 binding MUC 1 ムチンの糖転移酵素の一つである Ga1NAc T3 が癌の分化度と相関し、浸潤転移能に関与することが胃癌、大腸癌で明らかになりつつあり、この酵素発現に関しても検討を進めている。
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