研究課題/領域番号 |
13671295
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00090027)
|
研究分担者 |
鈴木 昌八 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20196827)
横井 佳博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80313956)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | エンドセリン-1 / 肝硬変 / 肝切除 / 微小循環 / 肝虚血 / プリングル法 / 再灌流障害 / 近赤外線時間分解スペクトロスコピー |
研究概要 |
ラット肝硬変モデルを用いて、肝部分切除に伴う肝虚血・再灌流障害での肝微小循環に及ぼすEndothelin(ET)の役割と肝切除後の肝再生におけるET受容体拮抗剤の効果について検討した。 【方法】肝硬変ラットを用いて、肝門部で60分肝流入血行を連続遮断した後に肝左外側葉を切除するC群、10分間の肝流入血行遮断と5分間の解除を6回繰り返した後に肝左外側葉切除を行うI群、肝虚血30分前にET受容体拮抗剤(TAK-044,3mg/kg)を静注し、C群と同様の処置を行うTAK群の3群を比較した。【結果】再灌流3時間のI群、TAK群の血漿AST値はC群に比し、有意に低かった。近赤外線時間分解スペクトロスコピーを用いた肝組織酸素飽和度(HSO_2)は、I群では再灌流6時間目までC群に比し、有意に高値を維持した。TAK群のHSO_2はC群に比べ、有意な改善がみられた。硬変肝組織のET-1値は非硬変肝組織のET-1値に比し、有意に高かった。再灌流とともに増加する血漿および肝組織のET-1値は、C群に比しI群で有意に低かった。再灌流1時間後のTAK群の血漿ET-1値はC群と比較して有意に高かったが、肝組織のET-1値にはC群とTAK群との間に違いはなかった。肝切除後7日目の肝再生率はC群に比し、TAK群では92.6±20.6%と高い傾向であったが、有意差はなかった。肝切除後7日間生存率はI群では73%であった。C群では47%と不良であったが、TAK群では100%に改善した。【結語】硬変肝の肝切除では肝微小循環の面から間歇的肝流入血行遮断法が連続的な流入血行遮断法より安全である。ET-1の作用を制御することが硬変肝の肝切除後の再灌流障害を軽減する上で重要である。肝再生へのET-1の関与については、ET受容体拮抗剤の単回投与では有意な効果は得られなかった。
|